京都市交通局 過去最大級の赤字で合理化に舵 減便 設備投資抑制 「京カード」廃止etc…

京都市の地下鉄とバスを運行する交通局が、新型コロナの影響で過去最大レベルの赤字を計上する見込み。2021年度は徹底的なコスト削減と事業の見直しを図ります。従来のサービスは、大きく転換を余儀なくされます。

2021年度予算概要発表 厳しい現実が赤裸々に

 京都市交通局が2021年2月10日(水)、2021年度の予算概要を発表しました。新型コロナの影響による厳しい経営状況を背景に、数々の「合理化」施策が打ち出されており、日常の足への影響は避けられない見込みです。

 2021年度予算は地下鉄で58億円、市営バスで56億円の赤字を見込んでいます。地下鉄事業については収支改善に向けた計画策定が義務付けられる「経営健全化団体」に転落する可能性が高いとのこと。また市営バスは、1999(平成11)年に計上した過去最大の赤字予算(▲62億円)に匹敵する規模であり、累積資金不足が過去最大を更新する見込みだそうです。

 この状況を踏まえ、「日々の安全運行や新型コロナウイルス感染拡大防止対策のための予算を確保しつつ、あらゆる事業を点検し、緊縮予算を編成」するなどとし、主に、次のような合理化策を打ち出しています。

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京都市営バス(画像:Phuong Nguyen Duy/123RF)。

●市営地下鉄
・IC・磁気券併用の自動改札機のIC専用化や、券売機の設置台数減による保守管理費の削減。
・烏丸線の駅におけるホーム柵整備や、そのための車両改造の先送り(すでに設計中の北大路駅は推進)。
・「運行情報等お知らせモニター」設置など安全安心に直結しない事業の延期。
・毎週金曜日の終電延長(コトキン・ライナーの運行)休止。

●市営バス
・利用状況に見合ったダイヤ見直し、および6両減車に伴う車両修繕費などの縮減や市バス車両に係る特別清掃の見直し。
・観光客の減少に伴う「おもてなしコンシェルジュ」の活動時間の縮小。
・均一運賃区間の全系統への「前乗り後降り」方式拡大の延期。
・バス車両購入費の平準化(リースによるバス車両の調達、車両購入計画の見直し)。

●地下鉄・バス共通
・企画乗車券の価格適正化(2021年10月実施)。
・「トラフィカ京カード」「昼間回数券」発売停止(2021年10月実施)。
・各種割引乗車券、乗り継ぎ割引などからポイントサービスへの転換(2023年4月実施)。

 また、職員の給与についても、局長クラスで6.0%減などの減額が実施されます。

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コメント

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2件のコメント

  1. 「トラフィカ」の廃止は痛いなぁ。その「ポイントサービス」というのも、京阪電車同様にかなりの還元低下になるようだし(京阪グループバスは10%のポイントなので納得だが)。一日券関連のチケットも、磁気カードではなく「ICOCA」に搭載するようにするとかスマホ画面提示で利用できるようにするとかで値上げ額ももう少し抑えられないか。少なくとも、乗り継ぎ割引までもが廃止になると一本で行ける地域間と乗り継ぎがどうしても必要になる地域間に不公平も生まれる。ますます利用を敬遠する人も増えてしまうかもしれない。

    とりあえずはコロナ禍が収まって再び観光客の利用がある程度増えたあとの対応を見守りたいと思う。

  2. 何と!雪が溶けてやっと地割れと局自ら埋めた地雷が見えたか?
    ブレーキ鳴きにクレームいれる客度、それに対して乗務拒否する乗務員度、まさか減車やリースも幽霊バスじゃないよね?
    京都は奥行きのある観光なんて二度とできませんよ。