東京に実在した「飛行機が道路を横断する」珍景、見納めに… JAXAのドルニエ機退役で

母機もノスタルジック…!

1988年導入

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の多目的実証実験機「ミューパル・アルファ(MuPAL-α)」として使用されてきたドイツ製ターボプロップ機「ドルニエ228」が、約34年間の役目を終えそうです。JAXA航空技術部門の公式Twitterが「今日で最後です」と紹介したのは、「格納庫から一般道を渡って飛行場へ向かう」ドルニエ228の様子です。

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JAXA「ミューパル・アルファ」のイメージ(画像:JAXA)。

 JAXAでは1988(昭和63)年に実験用航空機としてこのドルニエ228を導入。その後、同機関が開発したフライ・バイ・ワイヤー(FBW)操縦装置、高精度のデータ収録装置など、飛行試験に必要な機器を組み込む改修を実施。誘導制御やヒューマンファクタなどに関する先進技術研究のための飛行機「ミューパル・アルファ」としました。

 この機は、調布飛行場(東京都)に車道をへだて隣接する、JAXAの調布航空宇宙センター飛行場分室の格納庫に拠点を置いていたことから、この機が飛び立つ際などには、車道を横断して飛行場と格納庫を行き来するという光景が見られました。この機の退役で、JAXAが保有する実験用の固定翼航空機は、名古屋小牧空港を拠点とするジェット機「飛翔」のみとなります。

【了】

【時代の流れを感じる】現・JAXAの実証実験機「飛翔」

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