「室蘭」のフェリー、再び消えてしまうのか 八戸航路の休止協議開始 わずか3年半で

宮古発着から八戸発着へ変更も、厳しい状況です。

2022年分の予約受付を停止

 北海道と東北を結ぶ「シルバーフェリー」を運行する川崎近海汽船は2021年11月1日(月)、八戸~室蘭航路の休止に向け関係者との協議を開始したと発表しました。12月末での休止に向けたものとしており、同社はすでに2022年乗船分の予約受付を停止しています。

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2018年6月、宮古港を出発するシルバークィーン。この1年9か月後に宮古寄港は休止。航路そのものも3年半で幕を閉じる可能性ある(画像:岩手県)。

 航路が開設されたのは2018年6月。もともと岩手県宮古と室蘭の航路でしたが、貨物トラックの利用が定着せず、2020年4月からは宮古寄港を休止し八戸~室蘭航路として再編しました。これによりトラックの利用は増えたといいます。

 しかし、2020年1月から始まった世界的な船舶燃料規制などによる燃料コストの大幅上昇、新型コロナの影響による旅客需要減で収支が厳しいとのこと。また、船齢20年を超える運航船「シルバークィーン」は更新(置き換え)が必要なものの、新造船の投入が困難であるといいます。これらのことから、航路継続は困難と判断したそうです。

 室蘭港はかつて東日本フェリー(室蘭~青森など)の拠点でしたが、2008(平成20)年に旅客航路が全廃となり、10年ぶりに新設されたのがシルバーフェリーの宮古航路でした。利用が多い苫小牧~八戸航路を補完する役割などが期待されていました。

 川崎近海汽船は、正式な休止日は確定しておらず、協議を経て決まり次第改めて発表するとしています。地元紙の室蘭民報や北海道新聞は、室蘭市が航路存続を求めていると報じています。

【了】

【なぜ低迷?】室蘭~宮古/八戸航路と苫小牧~八戸航路の比較

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