大雨で貨物列車は最大2日遅れ そのとき運転士は

非常食に携帯トイレも

 2014年7月11日(金)14時現在、JR貨物発表の情報によると、最も遅れている列車は日本海縦貫線の百済貨物ターミナル発東青森行きの4075~4074列車です。

 「日本海縦貫線」とは北陸本線、羽越本線などを経由し、大阪と北海道を日本海沿いに結ぶルートの通称です。また百済貨物ターミナル駅は、大阪市東住吉区の関西本線(大和路線)にあります。

 この最も遅れている4075~4074列車は、百済貨物ターミナル駅を7月8日(火)の19時59分に発車。翌9日(水)の17時40分に東青森駅へ到着する予定でした。が、新潟、秋田、青森県内で大雨による遅延、運転見合わせが発生。本日7月11日(金)の13時49分、ようやく秋田貨物駅を発車することができ、丸2日遅れで今夕、東青森駅に到着する見込みです。

 さてこのように大幅な遅延が発生した場合、貨物列車の運転士はどうしているのでしょうか。

 先述の丸2日遅れだった4075~4074列車は、秋田貨物駅という元々運転士が交代する予定の駅で長時間停車していましたので、列車が大阪方面から秋田貨物駅へ到着したところで、それまで運転していた運転士は乗務終了。車両だけが駅に停車し続け、運転再開と共に新しい運転士が東青森駅に向けて乗務することになったと思われます。

 ただこれは、幸運なケースと言えるでしょう。もし運転見合わせになった場所が、なにもない山間の無人駅だったとしたら。運転士は原則として列車から無闇に離れられないため、延々と何時間も、場合によっては10時間以上、よく分からない鳴き声がこだまする深夜のひと気のない山中で、空腹と睡魔に耐えながら機関車の運転台でひたすら待機、ということもありえます。

 想像するだけで大変そうですが、貨物列車の運転士には珍しい話ではありません。そのため非常食や携帯トイレを常に携えている貨物列車の運転士も多いとか。貨物列車は走行時間帯が深夜になることも多いですし、その運転士はなかなか大変なお仕事かもしれません。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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