ウシと列車が衝突 天然記念物との事故も

天然記念物と衝突したらどうなる?

 東北地方では、そこに多く生息しているツキノワグマとの衝突がしばしば起こります。特に秋田新幹線ではそう珍しいことではなく、最近では2014年6月11日に発生しました。

 2014年7月3日には北海道でも、JR釧網本線の列車がクマと衝突。北海道ですからツキノワグマではなく、ヒグマです。このとき列車は、2台搭載しているディーゼルエンジンのうち片方が使えなくなってしまいましたが、残った1台のエンジンで運転を再開しました。

 ニホンカモシカとの衝突も、各地でしばしば発生します。2014年3月12日には静岡県のJR東海道本線で、同6月23日には福島県のJR奥羽本線で発生しました。

 ただこの場合注意が必要なのは、ニホンカモシカが国の天然記念物であることです。文化財保護法によって遺骸を勝手に処分することはできず、地元の教育委員会へ報告し、検死などの手続きが必要になります。

 北海道東部に生息する、同じく国の特別記念物に指定されているタンチョウと列車が衝突する事故も、2011年度までの10年間で30件発生しました。タンチョウは生息数が世界で3,000羽程度と希少であるため、JR北海道はタンチョウの生息地域で減速運転を実施するなど、タンチョウの保護に努めています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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