JR東日本豪華列車は「四季島」に決定 その由来は古墳時代に

列車名の由来は紀元3~4世紀?

 列車名の由来となった「敷島」とは元々、第10代天皇の崇神天皇、第29代天皇の欽明天皇が都を置いた大和国(現在の奈良県)磯城(しき)郡の地名です。様々な説がありますが、崇神天皇は古墳時代の3世紀から4世紀に実在して大和朝廷の礎を築き、初代天皇の神武天皇と同一人物ではないかとも言われている天皇です。

 そして「磯城島の宮のある大和」という意味から「敷島」が「大和」にかかる枕詞になり、「大和」の異称が「敷島」になります。『万葉集』に「磯城島の 大和の国に 人多に 満ちてあれども」とあるほか、江戸時代には国学者の本居宣長が「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花」と詠みました。

 この「敷島」が「大和」を意味することになったところからさらに転じて、「敷島」は「日本」を意味するようになったと言われています。また「敷島の道」といえば、「和歌(大和歌)の道」を意味します。

 この歴史ある日本の異称「敷島」に由来するものは様々あり、日露戦争で日本海海戦に参加した戦艦「敷島」や、1992年に就役した海上保安庁の世界最大級巡視船「しきしま型」などが挙げられます。また「Pasco」ブランドの敷島製パンも、本居宣長の「敷島の大和心を~」から創業者が社名をとったそうです。

 ちなみに、群馬県渋川市のJR東日本上越線には敷島駅があります。普通なら豪華クルーズトレインの眼中に入らないような小さな駅ですが、何かイベントなど行われると面白いかもしれませんね。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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