ヤマト運輸専用路面電車で大臣表彰 嵐電

「京都議定書」の地元企業として

 こうした取り組みの背景には、地球温暖化の防止を目的として1997年12月に採択された「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」、いわゆる「京都議定書」があります。

 京福電鉄はこの「京都議定書」を採択した土地に本社を置く企業として、また環境負荷の低い鉄道の事業者として環境保全活動を推進。「歩くまち・京都」を掲げる環境モデル都市、京都でヤマト運輸と連携し、低炭素社会を目指すとしています。

 このヤマト運輸による貸切路面電車は2014年12月現在、平日は朝夕の合計2便の運行。1日およそ400個の荷物集配に活用されています。また荷物は西院車庫で路面電車へ積み込まれ、嵐電天神川、蚕ノ社、帷子ノ辻、有栖川、嵐電嵯峨、そして終点の嵐山駅で降ろされます。

 京福電鉄とヤマト運輸は、公共交通で多くの人々が集まる「歩くまち・京都」の実現に貢献するため、連携をより一層強化。環境保全に取り組むほか、嵐山駅に観光案内所機能を備えるヤマト運輸営業所を開設し手荷物の一時預かりを実施するなど、観光客の利便性向上にも取り組んでいくとしています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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