鉄道業界初 360度の仮想空間で列車を運転

何を見ているのか一目瞭然

 導入コストが抑えられるのもポイントです。仕様によって異なりますが、既存のシミュレータは5000万円から2億円するところ、ヘッドマウントディスプレイ形は4000万円から1億4000万円と約30%、価格が低くなっています。

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ヘッドマウントディスプレイの使用イメージ。人物と茶色い運転台部分以外はCG(画像提供:東急テクノシステム)

 しかしこうしたヘッドマウントディスプレイ形では、それを使って訓練を受けている本人は映像が見えますが、指導する教官はどうするのでしょうか。その点について尋ねたところ、指導員用のモニタがあってそこに映像が出るとのこと。「シミュレータを使っている人がどこを向いてどこを見ているのか一目瞭然で、首の振り方もわかります」(東急テクノシステム、吉村さん)のだそうです。「指導」という意味では、この点もヘッドマウントディスプレイ形の優れている点かもしれません。

 このヘッドマウントディスプレイ形運転シミュレータについて、体験イベントも開催するそうです。5月2日(土)から4日(月・祝)の3日間、10時から12時のあいだ、東急田園都市線たまプラーザ駅直結の「たまプラーザ テラス」(横浜市青葉区)で実施され、参加には配布される整理券が必要(18歳以上限定)。比較的コンパクトで可搬性に優れたヘッドマウントディスプレイ形運転シミュレータの特長を活かした試み、といえるでしょう。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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