カリフォルニアのため? 日本の自動車メーカーがエコカーを作る理由

電気自動車や燃料電池車の開発が日本でも進められていますが、その大きな理由のひとつに、アメリカのカリフォルニアがあります。かつて日本の自動車メーカーは、同地で苦い経験をしたこともありました。

地形的にスモッグがたまりやすいロサンゼルス

 最近、日本全国の街角で、電気自動車日産「リーフ」が走る姿をよく見かけるようになりました。また2014年12月、燃料電池車トヨタ「ミライ」が発売されたことで、大手マスコミは“2015年は水素社会元年”と称した特集企画を組みました。

「リーフ」を始めとするEVの販売では世界トップシェアを誇る日産(写真提供:日産自動車)。

 地球全体の温室効果ガス削減を目指して、こうした次世代型のエコカーは今後、さらに販売が伸びるでしょう。

 ただし、日本ではエコカーの販売目標台数と達成年数について、明確な数値目標が決まっていません。経済産業省がまとめた報告書「次世代車戦略2014」のなかで、政府から市場に対する期待値を示すことで止まっています。

 一方、アメリカではエコカーの販売について、厳しい法律が定められています。それが、「ゼロ・エミッション・ヴィークル(ZEV)規制法」で、策定しているのはカリフォルニア州環境局の大気保全委員会(CARB)です。「ゼロ・エミッション・ヴィークル」とは走行中に排気ガスを出さない無排気車のことです。

 カリフォルニアは、全米で最も自動車販売数が多い州。なかでもロサンゼルスを中心とした南カリフォルニアは販売台数が多いのですが、市街地が海岸線から山間部の下側にかけて広がっており、スモッグが溜まりやすい地形です。80年代にはロサンゼルスの上空は分厚いスモッグが対流することが当たり前になっていました。

 そこで1990(平成2)年、CARBはZEV法を施行。当初の目標値を、大手自動車メーカーの場合、同州の年間販売総数のうちZEVの比率を1998(平成10)年までに2%、2001(平成13)年までに5%、そして2003(平成15)年までに10%にすると定めました。そして目標を達成できない場合、CARBは自動車メーカーに対して罰金の支払いを命じることになりました。また、ZEVの販売実績は「ZEVクレジット」として、CO2排出権のように売買も可能としました。

 ところが、こうした厳しい規定は事実上、不可能であることが分かり、1996(平成8)年以降は「部分的なZEV」(PZEV)、「革新的な部分的ZEV」(AT PZEV)など、様々な新規定が登場。達成目標についても規定が何度も変更され、自動車メーカー側は頭を悩ませました。

 なかでも2001年の改訂で、電気自動車や燃料電池車を意味する「ピュアZEV」を年間販売台数の2%としたことに対して、自動車メーカーなどから訴訟が起り、市場は混乱しました。

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  1. スモッグが対流 --> スモッグが滞留