自転車保険は高い? 乖離する現状

1億円近い賠償判決も出ている自転車事故。しかし、保険への加入率は4分の1程度という調査結果が出ました。なぜ加入率が低いのでしょうか。自転車保険は高すぎるのでしょうか。そこには大きなズレがあるようです。

保険加入が義務化される兵庫県

 2015年4月1日、自転車利用者に損害賠償保険への加入を義務化する条例が全国で初めて、兵庫県で施行されました。罰則はありませんが、10月1日から義務化が実施されます。

 兵庫県によると、歩行者と自転車の事故について同県内ではここ10年間で件数が1.9倍に増加していること、県民ひとりあたりの発生割合は全国で2番目に高いこと、そして高額な損害賠償事例が発生している状況が背景にあるといいます。2013年には神戸地裁で、小学生の子どもが起こした自転車事故に対し、母親へ9500万円の賠償金支払いを命じる判決も出されました。

 また兵庫県は「義務化の対象となる自転車損害賠償保険等は、自転車事故により生じた他人の生命又は身体の損害を補償することができるものであれば、いずれの保険等でも該当します」としており、つまり自転車保険に限らず個人賠償責任保険でも構わない、ということで、あくまでもこの義務化は被害者に対する賠償金支払いを前提としたものといえます。

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子どもが起こしてしまった事故に、親が高額賠償を求められる例も(画像:photolibrary)。

 こうした状況を考えると、たとえ兵庫県のように義務ではなくとも、保険に加入しておくべきかもしれません。

 しかし、「保険クリニック」が2015年6月2日に発表したアンケート結果によれば、「自転車保険に加入している」、または「個人賠償責任保険に加入している」人の割合は、合計で27.8%。実に“7割以上もの人が未加入”です。兵庫県が2014年10月に発表した資料でも、保険への加入割合は約24%という結果が出ています。

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