ドクターイエローが空中浮遊 新幹線唯一の踏切も通過 浜松工場一般公開で

新幹線の歴史初の踏切通過も

 今回のイベントでは「新幹線に乗って踏切を通過する」という、大変珍しいことも行われました。

 新幹線には、原則として踏切がありません。踏切がある線路を高速走行するのは、安全面で大きな問題になるからです。しかし東海道新幹線の“本線”から浜松工場への引き込み線には、高速走行をしないため、踏切が1カ所だけあります。

 ただもちろん、この引き込み線・踏切を通る列車は回送で、乗客はいません。そのためこれまで、新幹線でこの踏切を通過したことのある一般乗客は皆無でした。

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乗客がいる状態で初めて踏切を通過する新幹線(2015年7月25日、恵 知仁撮影)

 しかし今回のイベントに合わせて、東海道新幹線の“本線”から浜松工場へ直通する団体臨時列車が初めて運行されました。つまり1964(昭和39)年10月1日に開業して以来、「新幹線」およそ50年の歴史で初めて、新幹線で踏切を通過した乗客が誕生したことになります。

 厳密には、車体サイズが小さく「ミニ新幹線」と呼ばれる山形・秋田新幹線の車両が、在来線区間でいくつもの踏切を通過しています。しかし「フル規格新幹線」と呼ばれる東海道・山陽・九州・上越・北陸新幹線の大きな車両が自走して踏切を通過するのは、この浜松工場への引き込み線が唯一です。

 浜松工場一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」は7月26日(日)も10時から15時まで行われ、“ドクターイエローの空中浮遊”(当日配布の整理券が必要)などを見学可能です。入場は無料。浜松駅から工場までシャトルバスが運行されます。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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