年間赤字8億円の航路再建へ 佐渡汽船の高速フェリー「あかね」好調の理由

きっかけは青函航路の「ナッチャン」

 佐渡汽船は、豪州タスマニアのインキャット造船所で建造されているこのウェーブピアサーに、どのようにしてたどり着いたのでしょうか。このあたりの事情について、小川社長は、「きっかけは『ナッチャン』です」と笑う。

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右が2008年まで青函航路に就航していた「ナッチャン」(写真出典:photolibrary)。

 ちょうど佐渡汽船が新船導入を検討していたころ、津軽海峡フェリー(旧・東日本フェリー)が日本で初めて導入した110m型ウェーブピアサー「ナッチャンRera」と「ナッチャンWorld」が、青森湾の航路事情などから撤退を余儀なくされました。

「青函さんから売却のお話をいただき、私も本船を見に行ったんです。小木航路は物流も大切で、旅客輸送だけでなくフェリーでなければなりませんので、ジェットホイルでは無理。それにこの速力(航海速力30ノット)を出せるなら、1日2~3回の航海も可能です。バランスもいいし、気に入ったわけです」(小川社長)。

 しかし過去の輸送実績からして「ナッチャンの110m型では大きすぎる」。ですが「ウェーブピアサーは、その大きさをいかようにも設計できるという」ので、中古売船はあきらめ、改めて造船所と交渉。85m型の「あかね」を建造するという決断が行われました。建造費は60億円といいます。

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コメント

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4件のコメント

  1. 上越市は新潟県第三の都市です。お間違えなく・・・・

  2. 1.5日に1航海ではなくて1日に1.5航海ですよね。

  3. 佐渡汽船が唐突かつ一方的に貨物運賃を一律2割値上げを宣言し、もめにもめてた最中にタイミングばっちり合わせてこの記事が公開されたというのは、何か意図があったのでしょうか?

  4. あかねが就航し初めての冬。現在、船舶のドッグ検査のためあかねは新潟両津航路に就航しています。
    そして、たいへんな事態が起きているようです。
    船内はまるで野戦病院のような様相とのこと。

    ぜひ、取材して記事を掲載してください。