広島に約2000人来訪 マツダの何がファンの心をつかむのか 好調支えるその哲学

三次自動車試験場でファンミーティングをした意味

 ファンミーティングが行われた三次自動車試験場は、マツダがロータリー・エンジンを搭載したコスモスポーツを開発するため、50年前に造られました。時代はまだ、東名高速道路も全通前。200km/hを超える速度でクルマをテストできる三次自動車試験場は、国内メーカーが保有する自動車試験場としては最初期に建造されたものです。

 トラックメーカーとして出発し、乗用車への参入はかなり遅れたマツダ。しかし、世界中のメーカーがさじを投げた「ロータリー・エンジン」の実用化を果たし、高い技術力で徐々にシェアを拡大していきます。

 マツダの歴史を紐解けば、その技術開発に大きな役割を果たしてきた三次自動車試験場は、まさに“マツダのふるさと”といえるでしょう。

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1991年にル・マンを制覇した787B。4ローターエンジンを搭載する(2015年9月20日、佐々木基博撮影)。

 そうした歴史の象徴ともいえる出来事が、1991(平成3)年に訪れます。伝統あるル・マン24時間耐久レースにおいて、ロータリーエンジンを搭載したマツダの787Bが、日本メーカーで唯一、そしてロータリー搭載車としても唯一の総合優勝を果たしたのです。今回行われたファンミーティングでは、その787Bが実際に走行するシーンも見られました。

ファンミーティングでは1991年のル・マン総合優勝を果たした787Bが走行し、4ローターの快音を響かせた(2015年9月20日、編集部撮影)。

 マツダの歴史を振り返ると、その成長の中心には、現在の「スカイアクティブテクノロジー」にも脈々と流れている、松田恒次社長のモットー「技術は永遠に革新である」という言葉が厳然と存在しています。そしてそこに、多くのマツダファンがひかれているのではないでしょうか。

 綿々と技術開発が行われてきたマツダの“ふるさと”、三次自動車試験場。そこで実施された今回のファンミーティングは、そうしたマツダと、そのファンを象徴するイベントだったといえるかもしれません。

【了】

Writer: 赤野 克利

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