旧型機が新型機を強くする? ボーイングが示すF-15戦闘機、その未来

F-15、50年後も「強い戦闘機」でいられる理由

 しかし、8000飛行時間はあくまでも設計時に余裕をもって設定された数値であり、個々の機体の使用状況や構造を検査することで寿命の延長が可能です。例えばF-4の場合は、3000飛行時間から平均5000飛行時間まで引き上げられました。F-15Jはどの程度、寿命延長を実現できるのでしょうか。

 アメリカ空軍では、F-15Jと同じ機体であるF-15Cを運用中であり、その平均飛行時間はすでに8600時間にも達しています。F-15Cの寿命は16000飛行時間まで拡張できるとアメリカ空軍は見込んでおり、また、18000飛行時間の耐久試験も実施され、致命的な破壊は生じないことが実証されています。したがってF-15Jも16000飛行時間程度、すなわちあと50年は現役を続けられる計算となります。

 旧式化した戦闘機を使い続けることに不安を覚える人もいるかもしれませんが、現代ジェット戦闘機の空中戦は、目視で確認することのできない数十kmの相対距離で行われます。また接近戦にもつれ込んだ場合においても、背後の敵機さえ攻撃可能な高い命中精度を実現するミサイルの撃ち合いでほぼ決着がつき、飛行性能はあまり関係がありません。そのためミサイルや電子機器を最新鋭のものへ載せ替えることによって、将来もF-15Jは「強い戦闘機」であり続けることが可能です。

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コメント

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5件のコメント

  1. 現在でさえ、機体の運用年数は30年に達しているのに、あと50年はさすがに機体がもたないのでは?
    標的機なら使えそうですが。

  2. 現在なら旧式のF15でも戦力になると思いますが、50年間の内に周辺の国々もF22に匹敵する戦闘機を配備するでしょうから、たとえ近代化改修で飛行能力を維持できてもステルス性能に劣るF15は真っ先に落とされるのでは。いっそのこと、F15を無人機に改造して、囮として使ったほうがいいのかもしれません。

  3. 正誤を補足します。
    正:F-35の同時交戦能力が、理論上2機から最大18機にまで増大されるわけです。
    誤:F-35の同時交戦能力が、理論上2機から最大16機にまで増大されるわけです。

  4. 上記正誤について。
    超射程のアムラームを基本としているため、16発で問題なし。
    短射程のサイドワインダーを遠距離のF15が撃っても仕方がない。

  5. ♪ 型は 古いが しけには強い~ というような 歌もありますが、今 放送のテレビ番組の
    題名でもある「テセウスの船」の 現代版 でしょうか? 
    まぁ 胴体とか主軸にあたる部分の 金属疲労が寿命になるんでしょう? 
    ただ 原子力発電所の 炉心の寿命よりは 長いかと 思います。