見た目はバス、中身は電車? 日本唯一、トロリーバスの謎

昭和30年代、黒部ダムで

 黒部ダム建設のため造られ、「破砕帯」など掘削の困難さが映画『黒部の太陽』の題材になった全長5.4kmの関電トンネル。そこでトロリーバスを運行し、「立山黒部アルペンルート」の一部を担う関西電力は、トロリーバスを使っている理由について次のように話します。

「国定公園内のため、環境への配慮からトロリーバスを使っています」

 ダムの建設時、関電トンネルを通過した多数の作業車。その排気ガスが問題になり、ダム完成後にトンネルで観光用交通機関を運行するにあたって、トロリーバスを使うことになったといいます。

 関電トンネルにトロリーバスが走り始めたのは1964(昭和39)年。当時はまだ、現在のような電気自動車は実用的ではありませんでした。

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関電トンネル内を走るトロリーバス。青い照明は工事が困難を極めた破砕帯部分を意味(2015年9月、恵 知仁撮影)。

 なおトロリーバスは現在、日本国内では「立山黒部アルペンルート」でしか走っていませんが、その「アルペンルート」内で2路線が運行されています。ひとつがこの関電トンネルトロリーバス。そのほかに、大観望~室堂間を結ぶ立山トンネルトロリーバス(1996年開業)があります。

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コメント

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1件のコメント

  1. 戦後名古屋でも走っていました 懐かしい乗り物です