暫定2車線は世界の非常識 日本の高速道路、その課題

なぜ上下線のあいだに分離壁を設置できないのか?

 会計検査院によると、暫定2車線区間を4車線化するのには、1kmあたり12億~36億円かかるのに対して、2車線のままコンクリート壁などを設置する場合は、1kmあたり1億4000万~2億5000万円で済むとのことで、4車線化の見通しがたっていない対面通行の区間では、分離壁を設置することなどを検討するよう求めています。

 過去、正面衝突による重大事故の発生をきっかけに、コンクリート壁設置が検討された区間もありましたが、2車線対面通行の場合、「設置するだけの幅員がない」という理由で断念されています。

 確かにコンクリート壁を設置すると、プラスティックポールよりも30cmほど幅を取るのでその分、路肩が狭くなります。もともと暫定2車線区間はトンネル部の路肩が1.25mしかないので、これが片側15cm削られると、緊急車両が路肩を進行するのが困難になるケースが増え、道路構造令上の規格も満たせなくなるでしょう。

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首都高で運用されている幅の狭い特殊なレッカー車(写真出典:首都高速道路)。

 が、なによりも重要なことは、重大事故の防止です。事故の際に緊急車両が通行できることよりもまず、事故を防ぐことが第一なのは自明の理。緊急車両に幅の狭い特殊車両(首都高は幅狭のレッカー車を保有)や、あるいは軽自動車ベースの救急車を導入するのも一手でしょう。国交省はできるだけ速やかに、暫定2車線区間の簡易分離壁設置に動くべきです。

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コメント

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7件のコメント

  1. 暫定2車線区間の料金を半額にする意味は?
    この記事は後半が意味不明。

  2. 利用が少なく、暫定2車線での開業で、速達効果がなく、料金を下げるべきというならば、そもそも高速どうろなど建設すべきでなかったのではないか。筆者も会計検査院も視点がズレまくり。

  3. 暫定二車線はかつてあなたが著書で主張した快速国道の改良版でしょうが
    自分で作らせておいて批判するとかアホかよ

  4. 4車線(片側2車線)区間で両側2087台/日の区間もある位だし、(山口IC~徳地IC)
    両側2000台/日以上で4車線化して大丈夫だと思う

  5. ポールと同じ幅で設置できるコンクリ壁(あるいは鉄の壁)を開発すれば良いんじゃね。4車線化せずに。
    工事の際はIC間を短期集中工事で。

  6. そもそも「・・・高速道路」との名前がおかしです、首都高も同じ。だから速度違反が絶えない。例、「・・・道」でよい。

  7. いやいや何を言うか とりあえず道路網を拡大し、必要に応じて増設する という合理的な手法じゃないか!!

    交差点の多い市街地から外れた「田舎」的な場所の一般道路は交差点が少なく一時停止が少なくて済む という点ではある意味「高速道路」状態。その上にさらに並行して高速道路まで造るから二重投資三重投資みたいで疑問だ。

    2車線でも4車線でも 安全性 が取れる設計にすることが第一でしょ。