電線のなかに電線 線路上空、架線の秘密

線路の上空に張られている架線。よく見かけるものですが、実は内部に別の線が入っているなど色々な秘密があり、知っているようで実は知らないもの、かもしれません。珍しく昼に行われた、その取り替え作業を取材しました。

早い場合は1年程度で替えている線路上空の電線

 線路の上空に張られている電線。一般的な電車は屋根上の「パンタグラフ」をその電線(架線)に接触させて電気を取り込み、モーターを回して走っている、というのは多くの人が知っていることでしょう。

 ただ、その架線は日々摩耗するため取り替え作業が必要なこと、また具体的にどうやって取り替えるのか、知っている人は少ないかもしれません。

 JR東海は2016年2月3日(水)、東海道新幹線の三島車両所(静岡県)で取り替え作業の様子を報道陣に公開。知っているようで知らない「架線」について、取材をしてきました。

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工事用車両を使い、線路上空に張られたトロリ線を取り替える(2016年2月、恵 知仁撮影)。

「架線」は多くの場合、複数のケーブルで構成されています。そのうち、パンタグラフと接する電線を「トロリ線」といい、これがパンタグラフとの接触などにより摩耗。進行すると断線の可能性もあるため、摩耗量が一定の基準へ達する前に、取り替えなくてはなりません。

 東海道新幹線の場合、摩耗の早い区間では1年程度でトロリ線の取り替えが必要になるとのこと。また営業列車が走る「本線」では、摩耗量が基準に達していなくとも10年で取り替えているといいます。

 ちなみにトロリ線の材質はほぼ、電気伝導率が高く柔らかいという特徴を持つ「銅」。そのため「スズ」をわずかに混合し、固くすることで摩耗を抑えているそうです。

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