東京メトロの駅弁登場 「駅弁」を別の解釈で

地下鉄の駅を造ったことがある三越

「東京メトロの各駅周辺にある様々な味、いわば“東京都心の味”を詰めこんだ『究極の東京の駅弁』です。“都心を走る東京メトロらしい駅弁”といえると思います」(三越伊勢丹)

 一般的に「駅弁」は、簡単にいうと「駅で販売されているから『駅弁』」ですが、こちらは「東京メトロ」という鉄道の「各駅の味を楽しめるから『駅弁』」といったところでしょうか。

「販売店舗がそれぞれ地下鉄の駅と直結しており、東京メトロとつながりが深いというのもあります」(三越伊勢丹)

 三越日本橋本店に直結している、その名もズバリの三越前駅は1932(昭和7)年、三越が建設資金を全額負担して設置した駅、いわば“三越が造った駅”でもあります。

 東京メトロの駅における販売は、1801円(税込)という価格もあって難しく、現在のところ予定はないといいますが、将来的には何らかの形で実現させ、また「東京メトロ沿線駅弁」を期間限定でなく定番化させていけたらと考えているそうです。

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さけ京粕漬、牛肉ごぼう、うなぎ蒲焼、玉子焼き、桜海老入りすり身団子、奈良漬などが盛り込まれた「東京メトロ沿線駅弁」(2016年3月、恵 知仁撮影)。

 なお、食べる場所として想定しているのは東京メトロの車内ではなく、沿線の公園などとのこと。簡単に東京の味を楽しめる「東京みやげ」としても楽しんでもらえたら、といいます。

 確かに、東京メトロの車内でこの駅弁を食べるのは“マナー違反”でしょう。ただ、そうならないと思われる例もあります。東京メトロ千代田線へ直通運転を行っている小田急の特急「ロマンスカー」です。うち特急「メトロはこね」では車内販売もあります。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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