ステルスはもう古い? 飛行機は「極超音速の時代」へ

「ステルスの時代」はもう古い?

 アメリカでは現在、ハイパーソニックを実現するいくつかのプロジェクトが進行しており、すでに2004(平成16)年にはX-43「ハイパーX」が無人機ながらマッハ9.6(およそ11265km/h)を達成しています。

 また、2020~30年頃の実用化を目指すロッキード・マーチンSR-72「ブラックバードの息子」など、ハイパーソニック機やミサイルが開発中です。それらは炭素繊維複合材やセラミックといった、従来の金属よりも耐熱性に優れた素材を高熱部に用い、さらにハイパーソニック域での燃焼効率を追求し開発された「スクラムジェットエンジン」によって推進力を得ます。

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2030年頃までの実用化が目指されているマッハ6の戦略偵察機、SR-72(画像出典:ロッキード・マーチン)。

 レーダーに映らない「ステルス」は既存技術であり、“ステルス破り”の研究もいま、着実に進んでいます。そうしたなかアメリカでは「ステルスの時代」を経て、再び「スピードで振り切る時代」が到来するであろうと予測しているのです。

 ハイパーソニック機は、軍事の分野においてまず実用化されるでしょう。その技術はいずれ民需へと波及します。21世紀中には、本当に“日帰りアメリカ旅行”が可能になる日がやってくるかもしれません。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

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6件のコメント

  1. ガキの頃、ブラックバードのプラモデル作って、それで遊んでたな~
    懐かしい

  2. いつかは枯渇する化石燃料の代わりの燃料を大量に精製する技術が出なければ、極超音速時代はたとえ実現しても、すぐに終わるでしょうね

  3. 妄想だけで記事を書くな!!

  4. Tr3なるufo技術、テレポート技術NASAが研究してきるらしいが?反重力やら時空の歪みを利用、物体でなく空間が動く?ブラックホールみたいな、、

  5. 無理。空力加熱の影響、衝撃波の問題、旋回性能、特に民間機の場合避けてとおれない安全性、それと高熱量を保証する燃料の問題が解決できない。
    特に戦闘機の場合は旋回の際の加重の問題が解決不能。

  6. 使い方によるはずで、少なくとも制空戦闘機はスーパークルーズは求めても、それ以外の最高速度はむしろ不要ということで、むしろ最高速を求めない方向に行っていたのが近年ですよね…。
    ただ高速化といっても、スパローですらマッハ4は出ていたはずで、何のためにどこまでの高速を必要とするのかによってさまざまに感じます。

    スクラムジェットじゃ制空任務につけませんし、まして日本にとっても邀撃で戦闘機をそんな高空に上げるのも実用的じゃありません。
    それらの機体迎撃用に成層圏飛行船に防衛火器積んだ方がなんぼかマシなように思えます。