脱線、沿線の煙突倒壊、ホームに地割れ…JRほか鉄道各社の被害状況

熊本地震による鉄道の被害を国土交通省が発表。回送中の2列車が脱線したほか、線路や施設でも損壊が生じています。

「詳細不明」の箇所も

 国土交通省は2016年4月18日(月)6時現在の、熊本地震による鉄道への被害状況を発表しました。

 九州新幹線は、回送列車1本で6両すべてが脱線。新玉名~熊本間では沿線の煙突が線路に倒れました。防音壁の落下や固定ボルトの浮き上がり、高架橋の柱にひびが入るなどの被害も確認されています。ほかの箇所でも軌道の変状、路盤の損傷などが発生。熊本保守基地では天井クレーンが落下しました。

 熊本駅と大分駅を結ぶJR豊肥本線の主な被害としては、熊本~平成間で軌道が沈下。赤水駅(熊本県阿蘇市)構内では、回送列車が16日(土)の地震で脱線(翌日に移動させ道路支障は解消)。赤水~立野間では16日の地震で土砂が流入しましたが、「現地に係員入れず詳細不明」としています。

 九州を縦貫するJR鹿児島本線では、熊本県の宇城市・氷川町・八代市を走る小川~有佐間で軌道沈下と電柱下部の露出が発生。久留米駅(福岡県久留米市)から大分駅に至る久大本線では、由布院~野矢間で道床が沈下するなどの被害が生じました。

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九州新幹線の800系電車(2011年5月、恵 知仁撮影)。

 立野駅(熊本県南阿蘇村)と高森駅(同・高森町)を結ぶ南阿蘇鉄道の高森線では、立野~長陽間のトンネル内壁においてひび割れや、橋梁にも変状などが認められるも「詳細不明」とのこと。

 熊本電鉄では、北熊本駅(熊本市北区)のホームが一部損壊。亀井駅(同)や御代志駅(熊本県合志市)、須屋駅(同)ではホームで地割れが発生。このほかにも、線路脇のブロック塀倒壊や軌道のずれが複数個所で確認されるなどの被害が生じました。

 熊本市内を走る路面電車は、段山町~杉塘間や上熊本駅前~県立体育館前間で軌道が破断。動植物園入口~健軍交番前間では軌道陥没などが発生しています。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 相当被害が大きそうだね。
    7月に鉄道を利用した旅行を予定をしていたけど、こりゃ無理だな。