最新の鉄道混雑率ランキングに異変 上野東京ラインが大きな効果

常連が去った新たなランキング、そこに顔を出した路線は

 上野東京ラインの開業によって、「ワースト5」から2路線がランク外に去るという大きな変化があった2015年度の「混雑率ランキング」。その「ワースト5」は以下の通りで、武蔵小杉駅(川崎市中原区)周辺と南武線は神奈川県内、それ以外は東京都内です。《》内は2014年度の順位と混雑率を示します。

(1)東西線(東京メトロ):木場→門前仲町、199%《1位:200%》
(1)総武緩行線(JR東日本):錦糸町→両国、199%《2位:199%》
(3)横須賀線(JR東日本):武蔵小杉→西大井、193%《6位:192%》
(4)小田原線(小田急):世田谷代田→下北沢、191%《8位:189%》
(5)南武線(JR東日本):武蔵中原→武蔵小杉、190%《5位:195%》

 なお三大都市圏でのワーストは、中京圏がJR東海・中央本線の名古屋市内、新守山→大曽根間で142%、近畿圏が大阪市営地下鉄・御堂筋線の梅田→淀屋橋間で150%です。

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混雑率の目安。高度経済成長期には300%を超えることもあった(画像出典:国土交通省)。

 混雑率は「100%」が定員乗車、「150%」が「広げて楽に新聞を読める」、「200%」が「体がふれ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度ならなんとか読める」という目安。ちなみに、鉄道の「定員」は「それ以上乗ったら危険だ」という「保安定員」ではなく、通常の運行に支障がない乗客数「サービス定員」を意味しているため、定員を超えていても、ただちに安全性に影響が出るわけではありません。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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6件のコメント

  1. メリットもデメリットも事前の予想通りなのに、メリットだけ取り上げてドヤ顔されましても

  2. この話になるとすぐに出てくるのが、
    「広範囲な運行のために遅れやすい」
    「上野や東京から座れなくなった」
    ですね。
    名古屋でも大阪でもって博多でも、中心駅スルーの広範囲運転は昔からの当たり前。
    そういうことをデメリットといつまでも不満に思ってず、いい加減に慣れろよ。

  3. 「広範囲な運行のために遅れやすい」
    広範囲な運航ってよりも、運転系統が複雑に絡み合っていることの方が要因としては大きい。

    中心駅スルーの広範囲運転?
    運転系統が単純な地方都市と混同するのはおかしい。

  4. 40年くらい前に、修学旅行専用「ひので」号4両1組を4組つかった16両編成で、神奈川県各地の学生が日光に行ったそうです。宇都宮駅から日光線で。
     また東京駅から日光駅まで快速などを運転していたらしいです。
     上野東京ラインで復活しなかな?

  5. 武蔵小杉の混雑は恐らく稲城や府中の南武沿線民が武蔵小杉で乗り換えて品川や横浜に行く客が多いからだと思います。
    事実、稲城や府中の人口増加は南武線沿線であり、京王線は減少している。
    そうなれば京王の混雑緩和が可能になる一方で、南武線や横須賀線の混雑はなくならないと思います。
    それと東京でも横浜でも中心駅スルー運転は横須賀線、京浜東北線、湘南新宿ラインで既に行われていますよ。

    事実、上野東京ラインで利用者増加を獲得したのは赤羽駅、浦和駅、さいたま新都心駅、大宮駅の4駅である。
    まっ、浦和駅は東京の臨海部に住むよりは面白いけどね。
    和菓子屋が豊富で図書館もあるから楽しい場所だと思います。

    自身は神奈川県民だが、東横線や上野東京ラインで座れなくなる文句を言う前に米軍基地を抱える横須賀や座間の人口減少を含めて米軍問題をまともにやりなさいと言いたい。

  6. 広範囲な運行のため遅れやすいデメリットは多少あるものの上野東京ラインの直通によって山手線京浜東北線の混雑緩和は大きなメリットになったかと思います!