リニア新幹線、大阪開業前倒しに向け法改正へ 計3兆円をJR東海に融資

2016年9月26日、リニア中央新幹線の整備を促進するための法律案を政府が閣議決定しました。名古屋~大阪間の開業を最大8年前倒しするため、JR東海に資金の貸し付けが行われる予定です。

大阪開業を最大8年前倒し

 国土交通省は2016年9月26日(月)、リニア中央新幹線の整備を促進するための「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案」を、同日、閣議決定したと発表しました。

 法律案は、JR東海に対するリニア中央新幹線の建設費の一部貸し付け業務を、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)に行わせるというものです。

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品川~名古屋間にも組み込まれる山梨実験線では、最高速度およそ500km/hを体感できる乗車体験を実施している(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 現在、リニア中央新幹線はJR東海が建設主体となって、品川~名古屋間で建設を進めています。名古屋~大阪市内間は、品川~名古屋間が2027年に先行開業してJR東海の経営体力が回復したあとの2035年に着工し、その10年後の2045年に開業する計画です。

 しかし一方、今年8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済政策」では、低金利状況をいかし、財政投融資の手法を積極的に活用、工夫することで、リニア中央新幹線の全線開業について「最大8年前倒しすることを図る」とされたことから、今回、建設主体のJR東海に資金の貸し付けができるよう法整備が行われることになりました。

 資金は鉄道・運輸機構を通じて、2016年度と2017年度に1.5兆円ずつ、計3兆円が融資される予定です。この貸し付けにより、品川~名古屋間開業後に確保されているJR東海の経営体力回復期間を短縮し、名古屋~大阪市内間の工事に連続して着手することで、全線開業の前倒しが図られます。

【了】

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1件のコメント

  1. コンコルドの二の舞にならなければいいのですが。