「戦艦ズムウォルト」? 異形の米最新鋭駆逐艦、中身も異形 脅威の火力、その実力は

なぜ「ズムウォルト」は巨大なのか? 1門あたり10発/分、東京湾から北関東まで

「ズムウォルト」は、なぜいま改めて「戦艦」並みの巨体になったのでしょうか。それはひとえに、高い攻撃力を実現するためにあります。アメリカ海軍の主力イージス駆逐艦「アーレイバーク級」をはじめ、現代型駆逐艦の主砲は、大きくてもせいぜい127mm口径であり、搭載数も1門のみであることがほとんどです。また、「主砲」とはいっても主な用途は、接近するミサイルなどを撃ち落とす「対空砲」としての役割を担っています。

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世界最大の現用戦闘艦はロシア海軍のキーロフ級巡洋艦で、排水量は2万4300t(写真出典:防衛省)。

 これに対して、「ズムウォルト」の主砲「155mm先進ガンシステム(AGS)」はひと回り大きく、そして2門を前部甲板に搭載します。撃ち出された弾丸は、ロケット推進によって飛距離を稼ぐことで射程距離153kmにも達し、仮に東京湾から射撃したならば群馬県や栃木県といった、かなり内陸部までをカバーできます。

 さらにGPS衛星/慣性航法装置による誘導が行われるため、命中精度は半径20mから50mの円内に半数が着弾する高い精度を実現。ネットワークを通じて砲撃要請があった地点に対し、1門あたり1分間に10発という高レートの射撃速度で、大量の火力を叩きこむことを可能にします。つまり「ズムウォルト」は、半径153kmのエリアに存在する任意の建造物や特定の人物などのターゲットを、“瞬時にして”破壊できるのです。

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コメント

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7件のコメント

  1. 三隻しか作られなかったということは、失敗作ということでしょうか?

    • 将来的には、実戦状態(佐世保)・訓練状態(ハワイ)・整備予備(サンディエゴ)を1ユニットで運用する最低限の数と推測。

  2. 文中に、「公式には「ヘリ空母」や「駆逐艦」とは呼ばず、自国固有の艦種である「護衛艦」に分類されています。」と有りますが、護衛艦と言う呼称は空母とか駆逐艦とかの艦種ではなく、単に他国で言う軍艦と言う意味で、軍隊ではない海上自衛隊では軍艦と言う呼称は使用できないため、海上自衛隊の戦闘用艦船は艦種が空母であれ駆逐艦であれ軍艦の艦種名は使えず、すべて専守防衛の護衛艦に成ります。

  3. 錨や救難艇コンテナはどこにあるのだろうか。前者は潜水艦並みに艦底に設置としても、後者がなければ危険なはず。

  4. 中性子速射砲と言う最先端・次世代破壊武器を登載しています。相手のmissile攻撃を瞬時に破壊する。相手missile発射を感知し自動的に発射対応。100のmissileを同時に破壊出来る専制防衛武器だ!

  5. 新しい概念の戦闘艦。
    外観からして、南北戦争時の「モニター(警告する者)」を連想させる。

  6. 2年を経てもコメントされ続ける程に漢の魂を操る代物