ロケット作りで中高生「理系女子」育成開始 ロッキード・マーティン

宇宙飛行士の98%が小学生のときに受けている教育

「モデルロケット」とは、火薬エンジンを使用して約180km/hで打ち上げる模型ロケットのこと。世界では50年以上の歴史があり、宇宙教育教材として知られています。アメリカのSTEM教育では広く取り入れられており、ふだん学生が学んでいる物理や数学を活用して実践できるといいます。

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モデルロケット本体と火薬エンジンを手に語る、日本モデルロケット協会の山田 誠会長(乗りものニュース編集部撮影)。

 日本国内でも、打ち上げたロケットの高度や、上空で開いたパラシュートの滞空時間などを競う「モデルロケット全国大会」が開催されています。また秋田県能代市で毎年開催されている「ロケット甲子園」では、宇宙飛行士に見立てた生卵をロケットに載せて打ち上げ、生卵の破損状況、そして規定高度と規定滞空時間にどれだけ近いかが競われており、優勝者は世界大会への出場権を得られます。

 今回の発表会において、日本モデルロケット協会の山田 誠会長は「これまで全世界で5億7000万回以上、日本でも35万回以上打ち上げられましたが、無事故です」と、その安全性に触れつつ、「宇宙飛行士の98パーセントが小学生のときにモデルロケットを用いた教育を受けています」と述べ、学生の教育現場におけるモデルロケットの有意義さを強調しました。

 ロッキード・マーティン社の「Girl's Rocketry Challenge」に参加するのは、希望校のなかから選ばれた、恵泉女学園中学・高等学校(東京都世田谷区)、山脇学園中学校・高等学校(東京都港区)、かえつ有明中・高等学校(東京都江東区)、以上3校17名の女子中高生。それぞれがチームを組んでモデルロケット作りに取り組み、2016年12月に開かれる中高生のための学会「サイエンスキャッスル」での中間発表を経て、2017年5月にJAXA筑波宇宙センターで開催されるモデルロケットの全国大会へ挑戦します。

【了】

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