垂直離着陸戦闘機「ハリアーII」ぬぐえぬ誤解? 欠陥機の指摘は

「ハリアー」への撤去要求、ある意味、実現か

 日本ではMV-22B「オスプレイ」が“ある種の象徴”となってしまったために、「オスプレイ」ばかりが欠陥機であると騒がれていますが、実際のところ「オスプレイ」は「ハリアーII」だけではなく、ほかの戦闘機やヘリコプターと比べても重大事故の少ない機体です。墜落事故を受けて危険性を追求するのであれば、その対象は「オスプレイ」よりも「ハリアーII」であろうといえます。

 冒頭に述べた2016年9月の墜落事故を受け、一部団体は「ハリアー」の即時撤去を要求しています。おそらく「ハリアーII」が対象の要求でしょうが、これはまもなく実現します。事故機が所属していた岩国基地(山口県)には、すでに後継機である垂直離着陸型の戦闘機F-35B「ライトニングII」の配備が決まっており、来年1月にも「ハリアーII」と交代する形で来日する予定です。

 F-35Bもやはり、通常離着陸型のF-35Aや艦上戦闘機型のF-35Cに比べ、重大事故は多くなるかもしれません。しかし、F-35シリーズはすでに200機近くが生産されているものの、2016年10月現在、開発時も含め1件の墜落事故も発生していないことを考慮すれば、基地周辺住民の背負うリスクは「ハリアーII」よりも減少することが見込めます。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. オスプレイ同様、事故を起こしやすい機体であることは確かですね。

  2. 庶民が車を運転するよりは低いんでないの?

  3. オスプレイもそうですが『米軍機』と言う点が強い批判を招いている、と言う印象も。

  4. もともと垂直離着陸機そのもののハードル(主に空力学的、コスト的)が桁違いにたかいだけ。でなければイギリスがF-35B就役前にハリアー系列機を退役させないし、ロシアもYak-141系列機を没にしなかったし。大体、垂直離着陸が容易くできたら今頃コミュータ機はとうにオスプレイタイプになってるって。