航空火器は「弱い」が流行り? 「戦いは数」を地で行く最新爆弾・ミサイル事情

爆弾やミサイルは誘導して直撃させるのが当たり前という現代。一方で、その威力は以前よりも「弱いもの」がトレンドといいます。東京ビッグサイトで10月に開催された「2016年国際航空宇宙展」においても、そうした傾向が見られました。

最近の流行は「弱い兵器」?

 不朽の名作として名高い戦闘機ゲーム『エースコンバット』シリーズ。同作では、プレイヤー機は50発から100発近いミサイルを搭載して出撃します。一方、現実で実戦に投入される戦闘機は、どれくらいミサイルや爆弾を搭載しているのでしょうか。

 たとえば、航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15Jは、たった8発(目視距離外空対空ミサイル4発、短射程4発)しか搭載せず、F-2戦闘機は場合にもよりますが、対地攻撃において500ポンド(227kg)GPS誘導爆弾を4発、短射程空対空ミサイルを2発しか搭載しません。「意外と少ない」と思う人も、きっといることでしょう。

 実はF-2は、同じ威力の500ポンド“無誘導”爆弾ならば12発搭載することもできますが、無誘導爆弾は「基本的に当たらないもの」なのです。12発をばらまいて無駄にクレーターを作るよりも、誘導爆弾1発を確実に命中させたほうが効果的であり、先進国は無誘導爆弾をほとんど使わなくなっています。

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MBDA「スピア」を投下するF-35(右)とユーロファイターのイメージ。「スピア」は非常に小さく軽いため、従来の爆弾よりも多数を搭載できる(画像出典:MBDA)。

「止まらぬ兵器・武器の進化」と聞けば、多くの人は破壊力が右肩上がりで大きくなる状況を思い浮かべるかもしれません。しかし、誘導兵器を直撃させることが当たり前となった現在は、威力の強い巨大な爆弾を投下したり、大量の爆弾をばらまいたりして、標的の周辺ごと吹き飛ばす作戦は、あまり行われません。

 特に最近では、「弱い兵器」の導入が各国で流行しています。東京ビッグサイト(東京都江東区)で、2016年10月12日(水)から4日間にわたり開催された「2016年国際航空宇宙展」においても、その傾向が強く現れており、各国の防衛産業が多数の「弱い兵器」を展示する様子が見られました。

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コメント

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3件のコメント

  1. いくら命中精度が上がっても一般市民を誤爆したら意味がありません。