JR四国も一部路線は「維持困難」? JR北海道と同じ基準で考えると…

JR北海道の「基準」をJR四国に当てはめると…

 JR北海道は今年7月、「単独維持困難な線区」を公表したうえで「持続可能な交通体系のあり方」について沿線自治体などと協議を開始したいとする考えを発表しました。同社によると、輸送密度が500人級(収入3億円規模)の線区では、燃料費や乗務員経費など輸送に直接必要な経費が賄えないとのこと。輸送密度が500人未満である線区は、JR北海道では次のとおりです。

●輸送密度が500人/日未満の線区(2015年度、JR北海道)
・留萌本線・留萌~増毛:67 ※12月5日廃止予定。
・札沼線・北海道医療大学~新十津川:79
・石勝線・新夕張~夕張:118 ※夕張市が廃止に合意。
・根室本線・富良野~新得:152
・留萌本線・深川~留萌:183
・宗谷本線・名寄~稚内:403
・根室本線・釧路~根室:449
・根室本線・滝川~富良野:488

 この“基準”をJR四国に当てはめた場合、どうなるでしょうか。輸送密度が500人未満であるJR四国の線区は次のとおりです。

●輸送密度が500人/日未満の線区(2016年度上期、JR四国)
・牟岐線・牟岐~海部:261
・予土線・北宇和島~若井:342
・予讃線(海線)・向井原~伊予大洲:491

 もっとも輸送密度が低い牟岐線の牟岐~海部間は徳島県南部の海沿いを走っている路線。終点の海部駅は第三セクターの阿佐海岸鉄道に接続しています。予土線は愛媛県と高知県にまたがった路線で、その一部区間は四万十川沿いを走行。普通列車のほか、観光列車「しまんトロッコ」なども運行されています。

 気候や人口密度などが北海道と異なることに留意が必要ですが、採算が取れない路線が存在する以上、将来、JR四国でもその存廃をめぐる議論が起こるかもしれません。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. 結局は国鉄が民営化されてJRになった事で、日本全国に網羅されている鉄道網はズタズタにされてしまう結果に至ってしまうんですよね。代替交通としてバス路線もあるけど、バスの方が設備もバス停だけで廃止も簡単だから、バス移譲されても「いつ廃止されてもおかしくない」って事になるダケ。
    公共交通が無くなれば、高齢者だろうが多少認知症状があろうが車運転せざるを得ない実情も多々あるだろうな。公共交通や病院関係も、警察や消防などと同じく営利を目的とせずに最低限のライフラインとして必要な税金投入は不可欠だと今でも思うのだが。

    •  現実を見れば、地方に限らず鉄道や路線バスが使い難い(駅や停留所が遠い)場所では既に年齢問わずマイカーを使う人が多い。残念ながら究極のドアtoドアで時間に縛られる事の無いなどで最も自在が利くマイカーに勝る公共交通機関は無いに等しい。極端な話、大雪などでマイカーや自転車での通勤が危険な場合にのみ路線バスを利用する人が多くいる(満員のバスの連続となり、途中の停留所から常用している利用者が長時間乗れない程。東日本大震災直後の燃料危機の時もそうだった)。自転車が使えない雨の日の駅ロータリーのマイカー送迎が原因の渋滞は日常茶飯事。
       並行道路がある利用者数の少ない地方の鉄道路線ならば、「乗らないけど残せ」と言う無責任な沿線住民と自治体の存在が一番厄介だけど、廃止はやむを得ないと思う。最低限のライフラインなら自治体が運行する代替バスでも事足りる。それすら廃止せざるを得ないとしたらそれは沿線住民が選んだ事。廃止によって寂れたとしても自分達(沿線住民)の責任だと言う事実を直視すべきだと思う。国鉄・JR云々は全く関係が無い。

  2. 自動運転バスに期待しています。
    20分おき程度の頻度でバスが来れば車要らずかも知れませんね

  3. 国鉄時代に比べると輸送密度はどうなったんだろうか?

  4. 自動運転バスか、自動運転タクシーか
    需要に応じて、柔軟に使い分けられるといいですね

  5. だからと言って牟岐線を廃線なんかにしたら、阿佐海岸鉄道なんか上がったりになっちゃうじゃないの?
    少なくとも高松・松山と多度津・高知、高松・阿南間くらいは線路をつなげておかないと、、、
    鉄道はつながっていることに意義があるので、利用客が少ないからとその区間だけ廃線にしてしまうと不便になり、鉄道から道路への乗客の流出が増えるだけだよ。