新幹線初「先頭車研ぎロボット」導入 工場改修で大地震時の運行確保も JR東海

JR東海・浜松工場のリニューアルがおおむね完了。新幹線初の車両先頭部を研ぐロボット、鉄道車体で日本初の環境に優しい水性塗料を使った塗装ロボット導入など、最新設備が整えられるほか、工場の改良で、大地震に対する東海道新幹線の強さも高められます。

「全般検査」で研がれている新幹線の先頭部

 JR東海は2016年11月25日(金)、新幹線車両の全般検査を実施している浜松工場について、リニューアル工事がおおむね完了したこと、そして車両先頭部を研ぐロボットを新幹線で初めて導入するなどし、2017年1月5日(木)から新しい検修ラインで作業を開始することを発表しました。「全般検査」とは、36カ月または120万km走行以内(新幹線車両の場合)に実施する車両の定期検査で、クルマの車検にしばしば例えられるものです。

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新幹線で初めて導入される、車両先頭部を研ぐロボット。従来は人力で行われていた(画像出典:JR東海)。

 車両の先頭部を研ぐ作業は、現在は上に人が乗って行われていますが、そこにロボット(日本車輌製造、パナソニック環境エンジニアリング製)が導入されます。

 全般検査では車両の各部を分解し、徹底的な検査を行うほか、車体も再塗装。JR東海によると、この再塗装にあたって車体の表面を少し削り、ザラザラにすることで塗料のタレなどが防がれ、うまく塗装できるそうです。そしてこの作業が今回、人力からロボットになることで、粉じんなどの問題の解決、効率の向上が実現するとのこと。

 リニューアルではこのほかにも最新機器が用意され、寸法測定など部品に対する検査精度の向上、車体塗装における油性塗料から環境に優しい水性塗料への変更、鉄道車体で日本初となる水性塗装ロボット(常盤電機製)の導入などが図られます。

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