海外で緊急事態、日本人どう保護? 自衛隊の重要任務「邦人救出」 訓練にC-2初参加

日本人が海外滞在中に災害や戦争などに巻き込まれた場合、自衛隊の救出活動はどのように行われるのでしょうか。他国の軍隊と比べ行動に制限がある自衛隊の、これまでの対応と変革、2018年現在の現状について、最新の訓練の様子を交え解説します。

日本人を守る輸送任務

 海外旅行先で、大震災やクーデター、大規模暴動、そして戦争に見舞われるような事態を考えたことはあるでしょうか。言葉も文化も違う国で、ただでさえ不安な中、命が脅かされる危険すらあるのです。こうした緊急事態に陥った場合、我々はどうしたら良いのでしょうか。

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自衛隊の任務のひとつが、海外で緊急事態に巻き込まれた邦人の保護。万一の事態に備え訓練が重ねられている(菊池雅之撮影)。

 実は、軍隊には、政情不安や危機的状態に陥った国に赴き、自国民を助け出し、安全に母国へと連れて帰るという任務があります。それがNon-combatant Evacuation Operations、略してNEOです。日本語では、「非戦闘員退避活動」などと訳されています。

 これは自衛隊にも与えられている任務です。2007(平成19)年からは、本来任務に位置づけられました。ただし防衛省では、「非戦闘員退避活動」とは言わず、「在外邦人等輸送」(後に改称)とし、英語表記も、NEOではなく、Transportation of Japanese Nationals Overseasの頭文字を取ったTJNOとしていました。新聞やテレビでは「邦人輸送」と呼称していたので、こちらで広く知られているかと思います。

 自衛隊法84条の3には、「外国での災害、騒乱、その他緊急事態が発生した場合、その国にいる邦人を安全なところまで輸送する(要約)」と明記されています。外務大臣の要請に応じ、自衛隊が在外邦人を安全な国や日本まで輸送する任務です。

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コメント

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2件のコメント

  1. C-2が展開できるために車両輸送が迅速になった。
    今まではC-130だったから給油と巡航速度が遅いため展開時間が数倍かかった。
    人員はKC-767でも行けたが戦術輸送機の展開スピードは初動に大きな力。

  2. C-2の短距離離着陸や不整地離着陸の性能ってどんなだろ?
    C-130が使われてたのは、そこら辺があったと思うのだけど。ヤバい地域だと飛行場なんか真っ先に狙われそう。滑走路が破壊されて使える長さ短かったりとか。