近い将来の国防を占う「国際航空宇宙展2018」 2年繰り上げ開催の理由と注目の出展

「国際航空宇宙展」は、かつて空自採用前のF-15「イーグル」やF-14「トムキャット」も出展されたことのある、50年以の歴史あるイベントです。注目すべきポイントとその理由を見ていきます。

今回は平日開催、そもそもどんなイベント?

 2018年11月28日(水)から30日(金)の3日間、東京ビッグサイトで「国際航空宇宙展2018東京」が開催されます。

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「2012年国際航空宇宙展」にボーイングが出展したV-22「オスプレイ」の大型模型。防衛省は2013年度予算に同機の調査費を盛り込んだ(竹内 修撮影)。

「国際航空宇宙展」は、航空宇宙工業に関わる企業などによる民間公益団体「日本航空宇宙工業会」が開催する、航空宇宙産業の総合展示会です。1966(昭和41)年の第1回から1983(昭和58)年の第7回までは、航空自衛隊の基地で開催されており、1976(昭和51)年に入間基地(埼玉県狭山市)で開催された第5回には、航空自衛隊のF-104J/DJ戦闘機の後継機の機種選定が行なわれていたこともあって、候補機であったF-15「イーグル」とF-14「トムキャット」が揃って出展されるなど、実機の地上展示や飛行展示も行なわれていました。

 その後、航空自衛隊の基地の使用が困難となったことや、日本航空宇宙工業会が主催するイベントはより専門的であるべきだとの声が大きくなったこともあって、1991(平成3)年に開催された第8回からは、愛知県名古屋市のポートメッセなごやと、常滑市のセントレア(中部国際空港)のふたつの会場で開催された2012(平成24)年の第13回を除いて、東京ビッグサイトなど、首都圏の見本市や会議を行なうコンベンションセンターで開催されています。

「国際航空宇宙展」は2000(平成12)年に開催された第10回以降、4年おきの開催が定着しています。前回は2016(平成28)年に開催されており、次回は2020年に当たっていたのですが、同年の東京オリンピック・パラリンピックにおいて東京ビッグサイトがメディアセンターとして使用される関係から、日本航空宇宙工業会は2021年秋に繰り延べる方向で調整を進めていました。

 しかし日本でのビジネス拡大を図る海外企業と、航空宇宙産業への参入を希望している国内の中小企業から、前回の2016年から5年間もあいだが空くことは望ましくないとの意見が数多く寄せられたことから、日本航空宇宙工業会は、本来より規模が小さく、商談を目的とする「国際航空宇宙展2018東京」を開催することとなりました。

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