橋の「ジョイント」はなくせるのか 走行時の「ゴツン、ゴツン」の原因、その役割とは

クルマで橋を走行中、「ゴツン」という音と振動が生じる原因になっている「ジョイント」部分。橋桁のつなぎ目で、金属などが道路上に露出している部分ですが、いまこれを撤去して数を少なくする動きもあります。

バイクにとっては怖い「ジョイント」

 橋をクルマで走行する際、「ゴツン、ゴツン」という音と振動を感じることが、今後少なくなっていくかもしれません。

 この音と振動の原因は、橋の「ジョイント」部分。舗装のなかでジョイント部は金属などが露出しており、首都高速道路が実施したアンケートによると、二輪車のライダーからは「鋼製のジョイントが滑りそうで怖いと感じる」「雨天時のジョイント部でヒヤリとする」といった声もあるそうですが、近年、高速道路ではこれが撤去され、数を減らしています。

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橋のジョイントのイメージ(画像:photolibrary)。

 ジョイントがあるのは一般的に、橋桁(はしげた)と橋桁のつなぎ目や、橋桁と岸(橋台)のあいだです。橋桁は温度変化などで伸び縮みするため、つなぎ目となる部分には少し隙間を空けなければなりません。多くの場合、ジョイント部はクシ形の部材どうしがかみ合うようになっており、橋桁が伸びれば隙間が狭まり、縮まれば隙間が広がります。これにより橋桁どうしが干渉することなく、構造を保っていられるのです。

 このように、ジョイントは橋の構造上必要な部分ですが、なぜ撤去が可能になったのでしょうか。阪神高速道路も2018年11月2日(金)から10日間にわたり、15号堺線と17号西大阪線を通行止めして行ったリニューアル工事で、数十か所のジョイントを撤去しています。同社に話を聞きました。

――なぜジョイントの撤去を進めているのでしょうか?

 ジョイントをなくすことで、走行車両の安全性や快適性の向上、騒音や振動の低減による道路周辺環境の改善が期待されます。また、ジョイントが損傷すると、漏水によって床版(しょうばん。道路の床板にあたり、舗装が載る部分)など内部の腐食につながることもあるので、撤去することにより構造物の長寿命化や耐震性の向上、ひいては維持管理の省力化も図られるのです。

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