駅ナカ「シェアオフィス」、鉄道会社の新たなビジネスに? 各社で導入相次ぐワケ(写真16枚)

JR東日本が駅構内におけるシェアオフィス事業の実証実験を開始します。改札内に設けた個室型ブースを貸し出し、ちょっとした空き時間に仕事場として使ってもらうというサービスですが、実施の背景には鉄道事業を取り巻く、ある危機感が存在します。

ポイントは「密室」と「駅ナカ」

 JR東日本が2018年11月28日(水)から、東京、新宿、品川の3駅で、ブース型施設「ステーションブース」を使ったシェアオフィス事業の実証実験を行います。

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品川駅の改札内に設置された「ステーションブース」(2018年11月26日、中島洋平撮影)。

 シェアオフィスとは、複数の利用者によって共有するオフィスのこと。「ステーションブース」は大きな電話ボックスのような1人用の個室で、「ステーションワーク」のウェブサイトを通じて予約する時間貸し(15分または30分単位)のサービスです。各ブースの外側にはそれぞれ小さなモニターがあり、予約した利用者がここに表示されるQRコードをスマートフォンで読み取ることで解錠します。

 ブース内にはデスクとソファ、24インチモニター、電源などのほか、無料Wi-Fi、冷暖房(実証実験時は暖房)も備わっており、手持ちのパソコンなどを持ち込んで仕事をする環境が整っています。さらに、リラックスして過ごせるためのアロマ(香り)も試験導入しているとのこと。入室時および退出5分前、退出時には音声で退出時間が案内されるので、仕事に集中しすぎて時間を忘れる心配もないそうです。

「室内は遮音性にも優れています。カフェなどで仕事をされている方もいらっしゃいますが、このブースであれば、機密事項や電話の声などで周りの目を気にする必要もありません」(JR東日本 事業創造本部 副本部長 表 輝幸さん)

 東京駅、新宿駅の「ステーションブース」も同様ですが、改札内にあることも特徴のひとつだと表さんは話します。たとえば、新幹線の乗車前や友人との待ち合わせ前のちょっとした空き時間に利用したり、出張帰りに報告書をここで作成し、オフィスに戻らずそのまま帰宅したり……そうした柔軟な働き方をサポートするといいます。

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コメント

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1件のコメント

  1. 東京大阪など大都市だけでなく「地方」であるJR九州筑豊本線二島駅も 駅舎を貸事務所(貸事業所)として活用する動きもありますね。

    富山の「お団子と串」、つまり駅周辺に都市機能を集める都市・交通政策を 鉄道事業者が行える範囲で行なうような 取り組みもうまく行けばよいなと思います。 JR北海道の駅も。残念ながら廃止路線になっても廃止路線の駅舎を活用することが出来れば・・・