空母化で話題「いずも」と「かが」、乗ったらどんな船? 快適艦内と甲板塗料のヒミツ(写真16枚)

事実上の空母化が話題の海自いずも型護衛艦「いずも」と「かが」、特徴的な甲板もさることながら、その艦内や生活区画の様子はどのようなものなのでしょうか。実際に乗艦してきました。

いずも型護衛艦、「事実上の空母」化へ

 2018年に入ってから、ささやかれ出したヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型の空母化構想――それが2018年12月18日(火)、政府が決定した「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」において、「多機能のヘリコプター搭載護衛艦」としてほぼ現実のものとなりました。ここで言う「多機能」には、大規模災害対応のほか、短距離離陸・垂直着陸能力を有するF-35Bステルス戦闘機を搭載し、まるで航空母艦のような能力を持たせることも含みます。

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事実上の空母化が決まった海上自衛隊の護衛艦「かが」(菊池雅之撮影)。

 憲法上、日本は「攻撃型空母」を保有できません。戦後長らく封印されていた「空母」は復活しませんでしたが、どうやら、結論から言って海上自衛隊は、「空母は保有しない」ながらも「事実上の空母は保有する」という形になりそうです。

 改修されるのは「いずも」と「かが」の2隻となります。「いずも」は、2015年3月25日、「かが」は、2017年3月22日にそれぞれ就役しました。この2隻は同型艦であり、最初に建造された「いずも」の名前を取り、「いずも型」と呼びます。

「就役」とは、建造されていた工場におけるすべての工程が終了し、海上自衛隊へと引き渡されることです。我々がクルマを買った時に、ディーラーから鍵を受け取り、自分の愛車となる「納車」と同じようなものです。

 就役の式典は厳かに行われます。初代艦長は、真新しい自衛艦旗を受け取り、それを後部の旗竿に初めて掲げます。これにより海上自衛隊の1隻となったことを意味します。

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2018年現在、ヘリ護衛艦として運用されている「かが」。建造当初から、船首から船尾までつながった「全通甲板」を有する(菊池雅之撮影)。

 筆者(菊池雅之:軍事フォトジャーナリスト)は、初めて「いずも」の甲板に立った就役式の日のことをよく覚えています。やはり驚いたのは船体の大きさでした。全長が248mもあります。東京都庁(第1庁舎)の高さが243mですから、あれだけの建造物が横になっていると考えるとイメージがわきやすいでしょうか。広い甲板を艦首から艦尾までゆっくりと歩きました。これまで米海軍をはじめ、いくつもの海軍の空母や強襲揚陸艦などに乗艦取材した経験から、「これは立派な空母だ」との感想を抱いたものでした。

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