自衛隊唯一の海外拠点はどんな場所? ジブチ派遣経験者に聞く現地の様子やその暮らし

東アフリカの海賊に対処する自衛隊の活動は広く知られますが、その拠点であるジブチについてはどうでしょうか。哨戒機パイロットとして派遣された海自隊員に、現地の様子や生活などについて聞きました。

自衛隊唯一の海外拠点は灼熱の地

 あまり知られていない事実かもしれませんが、自衛隊は日本国外に、常設の活動拠点を保有しています。「ジブチ活動拠点」と呼ばれるそれは、その名のとおり、アデン湾・紅海に面し人口90万を擁す東アフリカの小国、ジブチ共和国にあります。同国の国際的な玄関口、ジブチ国際空港の一角に位置し、海上自衛隊のP-3C「オライオン」哨戒機や輸送機のための駐機場、そして1機のP-3Cを収納できる格納庫、約280名を収容可能な宿舎、そのほかの関連施設が整備されています。

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海自厚木基地第4航空群第3航空隊にてP-1パイロットを務める小笠原1尉。ジブチ派遣時は那覇基地第5航空群のP-3Cパイロットだった(関 賢太郎撮影)。

 ジブチ活動拠点は、アフリカや中東方面における自衛隊海外派遣部隊の支援拠点であり、そしておもに、ソマリア沖・アデン湾の海賊へ対処する多国籍の「第151連合任務部隊(CTF151)」に参加するための、P-3Cを運用する航空拠点としての役割を担っています。

 ジブチ活動拠点には、P-3Cの乗員や整備員などで構成された、約60名からなる海上自衛隊の「派遣海賊対処行動航空隊」と、これを支援するために帯同し、拠点の警護などを担当する、陸上自衛隊を中心とした約110名からなる「派遣海賊対処行動支援隊」が常駐します。

 東京からユーラシア大陸を挟んで、ちょうど1万kmも離れたこの「ジブチ活動拠点」とは、どのような場所なのでしょうか。2013年から2014年にかけて約4か月間、第14次派遣海賊対処行動航空隊のP-3Cパイロットとしてジブチへ派遣された、海上自衛隊第4航空群第3航空隊の小笠原 拓1等海尉は、「暑さが大変でした。拠点がある(同国首都の)ジブチ市の周囲はほぼ砂漠なのでとても乾燥しているのですが、日中は地面の照り返しが凄くて、気温もとても上がります」と、当時を振り返ります。

 ちなみに、日本における観測史上最高気温は摂氏41.1度ですが(2018年現在)、これはジブチ市における、夏季の「平均」日別最高気温と同程度です。

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