JR北海道 2019年度も全線区赤字に 前年度上回る収益で推移するも新型コロナで一転減少

札沼線の廃止区間は収益が改善しました。

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札沼線の新十津川駅を発車する石狩当別行きの始発兼最終列車(柘植優介撮影)。

 JR北海道は2020年6月8日(月)、運営する鉄道の2019年度の線区別収支を発表しました。

 営業収益は、第3四半期(2019年12月)までは台風21号(2018年9月)や北海道胆振東部地震(同)からの回復や新千歳空港利用者の増加、運賃値上げ(2019年10月)などにより、全道で前年度を上回って推移していましたが、その後の新型コロナウイルスの感染拡大が影響を及ぼし、年度全体では2018年度より8億5100万円少ない774億3000万円でした。

 営業費用は、線路や新幹線の電気設備などの修繕が増えた一方、少雪で除雪が少なかったこと、車両の減価償却費が減ったことなどから減少。2018年度より6億3900万円少ない1326億1300万円でした。営業収益から営業費用を引いた営業損益は、マイナス551億8300万円です。

 線区別にみると、函館本線の小樽~札幌~岩見沢間、室蘭本線・千歳線の苫小牧~白石間、札沼線の桑園~北海道医療大学間を合わせた「札幌圏」の営業損益は、2018年度より4億9500万円改善しマイナス22億6000万円でした。

 北海道新幹線(新青森~新函館北斗)の営業損益は、2018年度より2億2700万円改善し、マイナス93億4700万円でした。

 輸送密度は軒並み減少しているなか、2線区で増えています。札沼線の北海道医療大学~新十津川間(2020年5月廃止)は2018年度の62人/日が2019年度は71人/日に、日高本線の苫小牧~鵡川間は462人/日から528人/日に増加しました。札沼線は廃止を前に運輸収入が増加、日高本線は前年度に土砂流出対策工事を実施していたため修繕費が減少しています。

【グラフ】札幌圏と新幹線の2018年度・2019年度収支比較

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