辺野古移設で対立変わらず=加藤官房長官、沖縄知事と会談

 加藤勝信官房長官は10日午後、沖縄県庁を訪れ玉城デニー知事と会談する。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる政府と県の対立が続く中、就任後初めての沖縄入り。沖縄に寄り添う姿勢をアピールする狙いだが、安倍政権を継承する菅政権に対沖縄政策で大きな変化はなさそうだ。

 政府は、辺野古移設を着実に進め、市街地にある普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現させるのが基本方針。これに対し、県は普天間飛行場の危険性除去と辺野古移設は別問題だとして、移設工事の中止を求めている。

 防衛省沖縄防衛局は4月、埋め立て海域で見つかった軟弱地盤を改良するための設計変更を県に申請。9月には設計変更申請書の内容を公開する「告示・縦覧」があり、県民らから意見を受け付けた。今後審査が本格化するが、玉城知事は承認しないとみられている。

 仮に設計変更が認められても、総工費は従来の2.6倍となる約9300億円に膨らむ。工期も着工から米軍の使用開始まで最短で約12年かかり、普天間飛行場の返還時期は2030年代以降にずれ込む見通しだ。

 ◇アメとムチ

 加藤氏の前任の官房長官だった菅義偉首相は安倍政権下で辺野古移設を推進してきた。その手法は「アメとムチ」。13年末、仲井真弘多知事(当時)の辺野古埋め立て承認に先立ち、安倍晋三首相(当時)は沖縄振興費について、21年度まで毎年3000億円台の予算確保を確約。14年度予算は3501億円だった。

 しかし、14年末に移設反対の翁長雄志氏が知事になると増額の流れは一転して減額基調に。18~20年度は3年連続で3010億円と辛うじて3000億円台を維持した。先月末に発表された21年度の概算要求額も3106億円で、過去3年を下回った。

 「翁長前知事はコミュニケーション自体を拒んでいたが、玉城知事は違う」(政府関係者)。菅政権は「対話と実績」を積み上げて、沖縄の世論が軟化するのを待つ方針。政権が代わっても、沖縄への冷徹な姿勢は続きそうだ。

【了】

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