東京モノレール 独特の「凸型の車内」なぜ生まれた? むしろその上を有効活用

東京モノレールに乗ると、車内の一部中央が盛り上がっている箇所があります。これは何のためにあるのでしょうか。最新型車両の先頭1号車と6号車は、この段差の上にある座席が運転台を向き、「展望席」となっています。

高速走行と関係あり? 段差を活用したサービスも

 JR山手線の浜松町駅と羽田空港を結ぶ東京モノレールは2020年現在、3形式の車両が使われています。いずれも車内を見ると、前後の2か所に床の盛り上がっている箇所があります。ほかのモノレール車両では見かけない段差ですが、なぜこのような構造になっているのでしょうか。

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東京モノレール10000形(画像:写真AC)。

 東京モノレールは、一般的な鉄道のレールに相当する「軌道げた」の上に車両が跨がる「跨座式(こざしき)」と呼ばれる形態を採用しています。盛り上がった箇所の内部に台車があるため、車内の一部が「凸」のようになっているのです。東京モノレールによると、車体を大きく高くすれば段差をなくせるかもしれないものの、すでに敷設された軌道なども見直す必要があるため、車体の寸法は変えられないといいます。

 このような構造になった理由として、将来の高速走行を想定し車両が安定するよう、開業当時の設計で重心を低くした可能性があるともしています。なお、現在の東京モノレールの営業最高速度は80km/hです。

 床が盛り上がることによってその箇所がデッドスペースのようになりそうですが、生じた段差の上は活用されています。

 例えば最新型車両である10000形では、中間の2、3、4、5号車は段差の上にも座席が設けられています。座席はロングシート(レールに平行)で、窓側を向いています。一方で先頭の1、6号車の運転台側は、運転台を向いた2人掛けの「展望席」です。号車によって座席の配置を変えることで、高い位置からの車窓を楽しめます。

 また1000形や2000形も含め、各タイプの車内の段差の上には、荷物置き場も設置されています。

【了】

【写真】盛り上がった床 車内の段差とは

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コメント

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3件のコメント

  1. 日本跨座式という北九州モノレールに始まる床がフラットなタイプ(別名都市モノレール)は車両の全高が高いので、トンネルがあるとその断面が大きくなって不利ですね。

  2. 小倉のモノレールは乗ってみて広々とした車内に感心。
    あの出っぱりがないんだ!!と納得。

    なお、先頭車の連結器下に箒が付いててレールを掃除できるように。

  3. 理由を知ったうえで横方向からの外観写真を見てみると多摩都市等の他路線に較べて側扉下端からレール上端までの高低差が際立って小さいことが良く判りますね。