日豪、「準同盟」関係深化=対中危機感で交渉進展

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会談前に笑顔を見せる菅義偉首相(右)とオーストラリアのモリソン首相=17日午後、首相官邸

 日豪両首脳が大枠で合意した「円滑化協定」は、両部隊の共同訓練や災害協力を容易にするもので、両国の「準同盟国」関係を深化させた形だ。交渉は長く停滞していたが、覇権主義的な行動を強める中国への危機感が交渉進展を促した。

 円滑化協定は、自衛隊と豪軍が互いの国に滞在している間の法的地位などを規定する。2014年に交渉入りしたが、死刑制度を廃止した豪州が日本の刑事司法手続きに懸念を示し、難航していた。自国軍の兵士が日本で殺人などの罪を犯した場合、死刑となる可能性があるためだ。

 合意へ背中を押したのは、「力による現状変更の試み」をやめない中国の存在が大きい。中国は南シナ海で軍事拠点化を進め、東シナ海でも沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入を繰り返している。

 こうした動きを警戒する日本は今年に入り、海上自衛隊や航空自衛隊が、米豪の海空軍との合同演習をたびたび実施。「自由で開かれたインド太平洋」を旗印とした日米豪印の海上合同演習「マラバール」も11月に行った。

 日豪間では防衛協力の複雑・高度化も進む。両国の防衛相は10月、高い技術が求められる空中給油訓練のほか、自衛隊が豪軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」に向けた調整開始でも合意。円滑化協定で相手国に入国する際の手続きが簡素化されるなど、共同訓練がしやすくなる。

 ただ、両国は今回、司法制度などの詳細部分で折り合わず、署名には至らなかった。首脳合意をてこに今後、外務、法務当局が細部を詰める方針だ。円滑化協定には英国も関心を示しており、日豪の合意が日英協議の弾みとなる可能性がある。

【了】

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