県の公式「鉄道前面展望ムービー」なぜ作った 鉄道系動画の定番 素人動画とは違う!

群馬県が県内のローカル私鉄の「前面展望」を収録した動画を公開。自治体の取り組みとして行われるのは異例のことですが、実は県の持つ意気込みが背景にありました。

自治体が電車の前面展望動画を公開した理由

 群馬県内を走る2本の鉄道「上毛電気鉄道」「上信電鉄」、その運転席から前方の風景を収録した動画、いわゆる「前面展望動画」が11月30日(月)にYouTubeで公開されました。

 今回公開されたのは上毛電気鉄道の西桐生駅~中央前橋駅間および上信電鉄の高崎駅~下仁田駅間。どちらも始発駅から終点までノーカットで収録されており、まるで実際に運転席に立っているような臨場感を味わえます。

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元京王の車両が走る上毛電鉄(2007年1月、恵 知仁撮影)。

 運転士のような気分で車窓を楽しめる「前面展望動画」は、鉄道系動画の中でも人気のコンテンツのひとつ。これまで多くの鉄道ファンにより、運転席の後ろから撮影された列車前面の風景が動画投稿サイトなどで公開されてきました。近年では西武や相鉄、東京都交通局など、鉄道事業者が「公式」前面展望動画を公開することも。

 一方、この動画を制作したのは群馬県交通政策課です。自治体がこのような珍しいと言えるでしょう。背景や目的について尋ねてみました。

 群馬県は2020年4月に「tsulunos(ツルノス)」という名称の動画スタジオを設置。政策やイベントのほか、名所や地場産品などを動画で分かりやすくPRするべく、県職員たち自らの手によって、精力的に動画の制作・公開が行われています。

 交通政策課では、コロナウイルスの影響で打撃を受けている県内の中小私鉄を支援すべく、上毛電気鉄道、上信電鉄、わたらせ渓谷鉄道の3社に取材、この「tsulunos」にて各社の感染症対策を紹介する動画を制作し公開しました。その次の取り組みとして提案されたのが、前面展望動画でした。

 この時勢で外出を自粛せざるを得ない状況もある中、群馬県のローカル線の風景を自宅でも楽しんでもらい、魅力を知ってもらうチャンスに繋げていきたいとの思いがあるとのこと。
 
 今後、わたらせ渓谷鉄道の前面展望動画も公開予定だとか。紅葉の映える渡良瀬川の渓谷美が楽しめそうです。また、今回の収録とは逆方向の前面展望動画の制作も検討中だそうです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. わたらせ渓谷鐵道の紅葉早くみたい