「南の島で在宅勤務を」=各国が誘致、専用ビザも―IT業界は居住地不問に

Large 20201225at28k p
アルバでのリモートワークを宣伝するウェブサイト

 「楽園があなたの新しいオフィス!」。南の島のリゾートなどに滞在しながらリモートワークをする外国人客の誘致に乗り出す国や地域が相次いでいる。脱オフィスが進むIT業界からは、「どこに住むかは社員の自由」(東京都内の会社社長)との声も聞かれ始めた。新型コロナウイルス流行で世界的に普及した在宅勤務が進化し、働き方の新たな選択肢が生まれつつある。

 透き通った青い海が眼前に広がる白砂のビーチに置かれたデッキチェア。「ここがあなたの席」と刺激的に誘うのはカリブ海の島、オランダ自治領のアルバだ。余暇を楽しみながら働く「ワーケーション」訪問者向けに、2020年9月から米国民限定で、ビザなしで最大90日間滞在できる特例を設けた。同じカリブ海のバルバドスや北大西洋の英領バミューダなども専用ビザを発行している。

 欧州とアジアをつなぐ要衝に位置するジョージア(旧グルジア)では20年夏から、月給2000ドル(約21万円)以上の人がビザなしで180日以上滞在できる。「多くのホテルやレンタカー、ガイドが恩恵を受けている」(同国観光庁)といい、10月までに約1100人が制度を利用した。

 一方、経営者らの間で「新型コロナを機に『場所にとらわれない働き方』が意識されるようになった」と、米ハーバード大経営大学院のプリスビラジ・チョードリー准教授は指摘する。オンラインIDの認証システムを手掛ける米オクタは、世界で雇用する2000人超について、居住地を柔軟に認める制度を導入。IT人材が世界的に不足する中、「どこからでも優秀な人を確保できる」と狙いを説明する。

 英国のある研究者は「『同じ国で働かなければならない』という労使間の暗黙の了解は崩れる」と予測。日本企業も例外ではない。年明けからオフィスを半減させるソフトウエア開発会社アステリア(東京都品川区)はコロナ感染が拡大する中、オーストラリア在住者を在宅勤務で雇用した。平野洋一郎社長は「居住地は関係ない。オフィスは必要に応じて集う場所になる」と断言した。

【了】

この記事の画像をもっと見る(3枚)

最新記事

道路交通情報(外部サイト)

  • 「最新の交通情報はありません」

コメント