文化軸に観光地づくり=コロナ後見据え、各地で準備

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コレクターの現代アートを展示するミュージアム「WHAT」=2020年12月、東京都品川区((C)Keizo KIOKU)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、観光業が深刻な打撃を受ける中、2020年に制定された「地域文化観光推進法」に基づき、文化を切り口にした観光地域づくりが全国各地で始まっている。コロナ収束後の反転攻勢を見据え、準備を進める二つの地域を取材した。

 ◇現代アートの集積地に

 20年12月、東京都品川区の運河に囲まれた天王洲地区に新しいミュージアム「WHAT(ワット)」が誕生した。倉庫に眠るコレクター所蔵の現代アートを展示する施設で、手掛けたのは美術品の保管も請け負う寺田倉庫(同区)。有名作家から若手の作品まで、まるで誰かの本棚をのぞくかのように、個人のコレクションに触れられるのが魅力だ。

 同社はWHATを中核に、天王洲を現代アートの集積地とし、地区の活性化を図る。寺田航平社長は「アートを見るだけでなく、多くの人が作品を購入し、家に飾るようなライフスタイルを提案したい」と語る。

 他の地域企業とも連携し、これまでにビルの外壁を活用した巨大壁画の設置、ギャラリーカフェの開設、遊歩道の整備を進め、アートを楽しみながら散策できるまちづくりを進めている。新型コロナの感染が落ち着けば、外国人旅行者の誘客にも力を入れる方針だ。

 ◇大阪市に負けるな

 19年7月、仁徳天皇陵古墳などの古墳群が世界文化遺産に登録された堺市。室町~江戸時代に貿易都市として栄えた歴史も武器に、周遊観光の拡大に取り組む。これまでは隣接する大阪市などに観光客を奪われてきたが、和包丁の刃付けや和菓子作りといった伝統産業の「体験型コンテンツ」を豊富に盛り込み、文化に親しめる地域づくりを推進する。

 今後、上空100メートルの高さから古墳を眺める気球や、繁栄当時の街並みを再現する仮想現実(VR)を採り入れ、観光スポットを周遊するチケットも発売。滞在時間の長期化を狙う。

 市担当者は「コロナ後は団体旅行から少人数の観光にシフトするはずだ」と予想。国際博覧会(大阪・関西万博)が開催される25年には、外国人観光客を倍増させる計画で、個人旅行客をターゲットに文化体験で勝負する。

【了】

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