対中政策、競争か協調か=気候担当ケリー氏の動向焦点―次期米政権

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次期米政権で気候問題担当大統領特使に起用されるケリー元国務長官=2020年11月、東部デラウェア州ウィルミントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン次期米政権の対中政策は、競争と協調の間で揺れ動くことになりそうだ。国際ルールの順守を求め、人権問題で厳しく臨む方針を示す一方で、政権の優先課題に位置付ける気候変動対策では中国との連携が欠かせないためだ。気候問題担当大統領特使に起用されるケリー元国務長官の動向が焦点になる。

 バイデン次期大統領は昨年末、外交政策について演説し、不公正貿易や人権問題で「中国政府に責任を負わせる」と強調。中国を競争相手と見なし、強硬姿勢で臨む方針を打ち出した。同盟国と協力体制を築くことで「米国の立場ははるかに強固になる」とも指摘。トランプ大統領の「米国第一」から国際協調路線に転換すれば、中国への圧力は強まるとの考えを表明した形だ。

 サリバン次期大統領補佐官(国家安全保障担当)はツイッターで、中国による香港統制強化を踏まえ「香港の自由への攻撃に対して同盟国と団結する」と主張。ワイン輸出で中国の制裁関税を課されるオーストラリアへの支援も明言し、対中けん制を始めている。

 一方、協調路線を志向するとみられるのがケリー氏だ。NBCテレビのインタビューで「(温暖化対策は)われわれ同様、中国にとっても必要不可欠だ」と述べ、対話に意欲を示す。気候問題での対中交渉を重視するあまり、南シナ海情勢などで穏健な対応を主張する可能性もある。米誌アトランティック(電子版)は「(ケリー氏が)対中政策に関して問題を引き起こすかもしれない」と分析している。

 閣僚級で国家安全保障会議(NSC)に出席するケリー氏の役割が不明確な点も懸念材料だ。国務長官に起用されるブリンケン氏はオバマ前政権時の部下でもあり、ケリー氏が外交を統括するブリンケン氏の領分を侵し、対中政策全般に口を挟む恐れがある。

 外交方針をめぐっては、超党派で対中強硬姿勢を強める米議会の影響も無視できない。昨年は香港統制強化やウイグル族弾圧などに関わった中国当局者に制裁を求める法案を可決した。トランプ氏は人権問題での対中圧力には消極的だったが、法律成立を受けて制裁に踏み切った経緯がある。議会は、次期政権下でも中国への圧力強化を目指す法案を提出し続ける可能性が高い。

【了】

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