豪EV業界、政府の普及目標を疑問視=排出削減未達も

 【シドニー時事】オーストラリア政府が電気自動車(EV)購入に関する優遇政策を導入しなければ、国際的な気候変動の目標を達成するために、輸送部門で温室効果ガスの排出を抑制する豪州の取り組みが危うくなる可能性がある。4日付の経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューが報じた。

 豪州は、2030年までに排出量を05年比で26~28%削減する目標を掲げる。モリソン首相とテイラー・エネルギー相は、目標を「達成して超える」道筋にあると説明している。これに対し、豪電気自動車評議会のベヤード・ジャファリ事務局長は、輸送部門の排出に関する政府の見通しには欠陥があるとして、達成に疑問が生じかねないと指摘した。

 豪政府が昨年12月に発表した排出見通しでは、EVの普及率が30年には26%と、20年の1%から大きく増えるという。

 ジャファリ氏はこうした野心的なEVの普及率見通しについて、現在の政策設定を踏まえると、実現の公算は小さいと分析。「政府がある数値の達成につながるような予測を選んでいることは、本当に残念なことだ」と述べた。

 政府見通しによると、最大の排出元である電力部門は、30年までに6000万トンの排出を削減する道筋にある。一方で輸送部門の排出は、600万トン増加し、液化天然ガス(LNG)を含む化石燃料の抽出による一時的な排出量は400万トン増加するとそれぞれ予測されている。

 同氏は、EVへの移行を政府が市場に任せるような方法を取っているとして、30年までの普及が後押しされないと指摘。「29年に全てが起こるわけではない。今のうちに基礎を築き始める必要があるが、こうしたことが起きていないのは明らかだ」と強調した。

【了】

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