中国、武器使用明記の海警法施行=尖閣、「グレーゾーン」で攻勢

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北京から世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会合に参加する中国の習近平国家主席=1月25日、WEFのウェブサイトより(AFP時事)

 【北京時事】沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海への侵犯を繰り返す中国海警局の船舶による武器使用について明記した「海警法」が1日、中国で施行される。海警法は「国家主権、安全・海洋権益の保護」を目的に制定。海警局を軍と一体化させ、平時と有事の間の「グレーゾーン」で尖閣に対する日本の実効支配を崩そうとする習近平指導部の狙いがうかがえる。

 海警法は、海警局の職務を「海上の権益保護と法執行の履行」と定めている。一方で、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、個人に対して「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取る権利が海警局にあると規定。尖閣諸島の領有権を主張する中国が、尖閣周辺で活動する海上保安庁の船舶や漁船に対して発砲するなど行動を先鋭化させる恐れがある。

 海警局は2013年の発足当初は政府機関だったが、18年に軍の最高指導機関である中央軍事委員会の指揮下にある人民武装警察部隊(武警)に移管された。海警法は、海警局が中央軍事委の命令により「防衛作戦などの任務を執行する」と明確にした。海上保安庁法で「軍隊の機能」が否定され、武器使用も厳しく制限されている海保と著しく異なる。

 海警局は実質的に「第二海軍」となっているが、名称は変わらず、海上法執行機関の建前を維持している。この理由は「海警局の動きに対して海上自衛隊が出動すれば、日本が『軍』を動員し事態をエスカレートさせたと国際社会に主張できる」(中国の国際関係専門家)ためだ。

 世界最大の沿岸警備組織となっている海警局には排水量1万トン級の船舶が配備され、退役した軍艦を改装して再利用する例もある。海警法は「国は(海警局の)装備を強化し、職責の履行に適した船舶、航空機、武器の配備を保証する」としており、海警局の増強がさらに進みそうだ。

 海警局の職務や権限を具体的に定めた法律はこれまでなかった。海警法施行により、中国が領有権を主張する南シナ海でも周辺国との緊張が高まる可能性がある。

【了】

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