〔トップ登場〕環境対応のエキスパート=ホンダの三部敏宏次期社長

4月にホンダの社長に昇格する三部敏宏専務(59)は、社内で「環境対応のエキスパート」と評される。自動車業界で「脱ガソリン車」の動きが加速する中、「激動の時代に向いている」と自信を示し、事業変革へかじ取りを担う。
ホンダの歴代社長は現在の八郷隆弘氏を除き、研究開発子会社、本田技術研究所の社長を経験している。三部氏は2019年から同研究所の社長を務め、以前から次期社長候補の本命と目されており、「順当な人事」(ホンダ幹部)となった。
三部氏は年明け早々、八郷氏から次期社長を打診された。八郷氏と二人三脚で四輪車事業の改革に取り組んでおり、「いよいよ来たか」と即、快諾した。
自らの性格については「安定しているとやる気が出ない」と分析する。トップに就任すれば電動化対応などでリーダーとして難しい選択を迫られるのは必至。三部氏は「プレッシャーには、かなり強い」と語り、「重責は感じるが、わくわくしている」と言い切った。
八郷社長時代の6年間、収益力改善のために「縮小路線」を選んだホンダ。「成果を刈り取る段階に入った」と話す八郷氏の後を継ぐ三部氏は「いよいよ攻めに転じる」と意気込む。
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