査察継続も全容把握困難に=イラン、IAEAと暫定合意

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21日、テヘランで会談するイランのザリフ外相(左)と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(右)(AFP時事)

 【カイロ時事】イランは21日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長との会談で、未申告の核施設などへのIAEAの抜き打ち査察を23日に停止するものの、暫定的に最長3カ月は「必要な査察と監視」を受け入れることで合意した。必要最低限の査察は当面維持されるが、核兵器開発が疑われるイランの核活動の全容は把握しづらくなり、国際社会の不信感を払拭(ふっしょく)するのは難しそうだ。

 「必要なレベルの監視はできるが、アクセスは縮小する」。イラン訪問を終えたグロッシ氏は21日、イランとの暫定合意の意義を強調しつつ、苦しい胸の内を語った。イラン原子力庁によれば、イラン側は監視カメラの映像をIAEAに引き渡さずに3カ月間保存。その間に米国が制裁を解除すればIAEAに映像を提供し、解除されなければ破棄するという。

 トランプ前米政権が2018年に一方的にイラン核合意から離脱して以降、イランは合意順守を求める欧米諸国に反発し、段階的に合意から逸脱。保守強硬派が多数の国会で昨年12月に成立した法律に基づき、核開発強化が政府に義務付けられ、強気な姿勢に拍車が掛かった。

 法律には抜き打ち査察受け入れの停止に加え、高濃縮ウラン生産や金属ウラン製造、遠心分離機の増設なども明記されており、各国の懸念をよそに核合意の形骸化が進んでいる。

 イランから見れば、トランプ前政権がイラン産原油禁輸などの制裁を復活させたことが問題の元凶だ。米側は制裁解除の条件としてイランの合意順守を求めるが、「先に米国が全ての制裁を解除すべきだ」(最高指導者ハメネイ師)とする立場は絶対に譲れない。

 バイデン政権は18日、核合意復帰に関してイランとの対話の用意を表明し、事態打開に向けたメッセージを送った。しかし、イランは21日もザリフ外相が「制裁解除の前に米国が合意に復帰するのは不可能だ」と主張し、対話に応じるかは不透明だ。イランが警告通り抜き打ち査察受け入れを停止し、一段とイランへの批判が高まれば、対話の機運もしぼみかねない。 

【了】

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