フランス 新たな戦略ミサイル原潜の建造を決定 1番艦の就役は2035年を予定

フランスは核抑止力の一環で戦略原潜を21世紀末まで保有し続けます。

原潜建造には雇用の維持という意味合いも

 フランス軍事省は2021年2月20日(土)、新たな弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(戦略ミサイル原潜)の建造に着手することを発表しました。

 2021年2月現在、フランスはル・トリオンファン級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を4隻運用しています。しかし1番艦の「ル・トリオンファン」は1997(平成9)年に就役しており、すでに四半世紀近く経っています。

 フランス海軍はル・トリオンファンの退役を見越して、後継となる次世代の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を2035年から就役させるべく、研究や設計を始めることにしたといいます。

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フランス軍事省が発表した第3世代戦略ミサイル原潜のイメージ(画像:ナーバル・グループ)。

 フランスが初めて手にした戦略ミサイル原潜は、1960年代後半から1980年にかけて5隻建造したル・ルドゥタブル級です。この後継として、ル・トリオンファン級を1990年代から2000年代初頭にかけて4隻建造しており、今回発表した次世代型はそれに続くものであるため、第3世代型SSBN(戦略ミサイル原潜)と呼ばれています。

 第3世代型SSBNは、射程約6000kmのM51潜水艦発射弾道ミサイルを16基搭載、建造は現用のル・トリオンファン級と同じく4隻が予定されています。開発と建造は、フランス軍事省装備総局(DGA)とナーバル・グループが担当します。

 軍事省のトップであるフロランス・パルリ軍事大臣によると、SSBNはフランスの抑止力の象徴であり、世界の安全保障を担保するものであるとのこと。加えて今回の決定はフランスの生存性を2090年まで保証するものであり、なおかつこのプロジェクトを推進することで、国内の雇用についても約3000人以上確保できるとしています。

【了】

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1件のコメント

  1. 化石燃料を掘り尽くして、海面が上昇しても、原潜は今世紀末までても潜っていられるでしょう。そのとき地上に人が生存しているかはわかりませんが。