対米貢献拡大へ協議継続=駐留費負担、大幅増は回避

 在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を定めた特別協定の改正議定書が31日の参院本会議で承認され、来年3月末まで延長された。これにより1年間は従来の負担水準が維持されることが確定。米トランプ前政権が要求していた大幅増額は回避したものの、バイデン政権も中国や北朝鮮への態度を硬化させており、同盟国に一層の貢献を求めてくる可能性は否めない。

 茂木敏充外相は30日の参院外交防衛委員会で、駐留米軍について「『思いやり』というより、互いの信頼関係で成り立っている」と強調。2022年度以降の負担額をめぐる今後の対米交渉に関しては「ゼロサムでなくウィンウィンになるような協議をしたい」と語った。

 政府は1978年度以降、米軍駐留経費の一部を自主的に負担。金丸信防衛庁長官(当時)の国会答弁にちなみ「思いやり予算」と呼ばれてきた。当初は日米地位協定の範囲内に限られたが、87年度からは期間限定の特別協定を結ぶ形で、負担対象を順次拡大してきた。

 今年1月に発足したバイデン政権も、当初は「トランプ前政権ほどではないものの増額を求めていた」(日本側関係者)という。一方でスタート段階から同盟国とぎくしゃくするのは避けたい思惑もあったとみられ、増額に難色を示す日本側に最後は譲歩した。

 ただ、日本を取り巻く安全保障環境は年々、厳しさを増している。先に東京で開かれた日米安保協議委員会(2プラス2)では、軍事力で周辺国を威圧する中国への懸念を共有。共同文書には「日本は日米同盟をさらに強化する能力向上を決意した」と明記された。

 軍拡を続ける中国は26年までに西太平洋で米国の軍事力を上回る可能性が指摘される。米軍は「6年以内」の台湾有事も想定、日米の対処力強化を急ぐ方針で、年内に再び開く2プラス2では日本の役割拡大が求められそうだ。安保政策に詳しい自民党中堅は「思いやり予算で米側に譲ってもらったツケは大きい。ほかで借りを返すしかない」と指摘した。

【了】

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