ナイル川「ダム増設」で再び対立=エチオピアにエジプト反発

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エジプトのシシ大統領(左)とエチオピアのアビー首相=2019年2月、アディスアベバ(EPA時事)

 【カイロ時事】ナイル川上流にあるエチオピアが新たにダム100基以上を増設する構想を突如打ち出し、ナイル川に水需要の大半を依存するエジプトが反発している。両国は、エチオピアが造ったアフリカ最大級のダムの運営でも対立を深めており、緊張激化の新たな火種となった。

 エチオピアのアビー首相は5月30日、国内各地で小・中規模ダム100基超を造る計画を表明。農業の生産力拡大のため、水を安定的に確保するのが目的と強調した。

 この方針にエジプトは「こうした水力発電施設の建設は、影響を受けかねない国々との調整、合意を得た上で進めるべきだ」(外務省報道官)と主張。「国際法を無視した悪意の表れだ」とエチオピアを批判した。

 ナイル川上流では2011年、エチオピアが「大エチオピア・ルネサンスダム」の工事に着手し、昨年7月には第1段階の貯水を終えた。下流域への川の水量減少を危惧するエジプトとスーダンは、ダムの貯水方法や渇水時対策などで法的拘束力を持つ合意を求めるが、アフリカ連合(AU)を巻き込んだ3カ国の交渉は停滞したままだ。

 発電能力増強を急ぐエチオピアは今年も雨期の7~8月、ルネサンスダムで一方的に貯水を強行する構え。対するエジプトのシシ大統領は「想像を超える地域不安定化を招く」とけん制する。シシ氏は5月下旬に電話会談したバイデン米大統領から「エジプト国民の最重要問題であり、水の安全保障のため努力する」という発言を取り付けたものの、事態打開のめどは立っていない。

【了】

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