東京メトロと都営地下鉄の統合「実現しない可能性」高まる 新線建設のかわりに

東京メトロと都営地下鉄、ふたつの事業者が存在する東京の地下鉄。乗客の利便性向上などを考え統合する話が出ていましたが、実現しない可能性が高まっています。その代わりに、東京へ新しい地下鉄ができるかもしれません。

東京メトロ株を買おうとしていた東京都 しかし…

「東京メトロ」と「都営地下鉄」に運営が分かれている東京の地下鉄。乗客の利便性向上などを考え一元化する話も出ていましたが、2021年7月、「実現しない可能性」が高まったかもしれません。

 国土交通省が7月15日(木)、今後の東京圏における地下鉄ネットワークのあり方について、交通政策審議会による答申を公表。有楽町線の延伸(豊洲~住吉)と白金高輪~品川間の地下鉄について、東京メトロが事業主体になるのが適切で、早く建設を進めるべき、との考えを明らかにしました。

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都営三田線(左)と東京メトロ南北線の車両(画像:写真AC)。

 あわせて、閣議決定や東京地下鉄株式会社法によって東京メトロを完全民営化する方針が決まっているなか、新線建設の負担がその方針に影響を与えないよう、国(53.4%)と東京都(46.6%)が持っている東京メトロの株式を確実に売却せねばならない、具体的には国と都が共同で手続きを進め、同時に同率で株を売却することが重要、そして国と都が東京メトロ株式の半分を当面保有する、としています。

 東京の地下鉄一元化は都が目指していたもので、実現にあたって、国が保有する東京メトロ株を都が購入する案などが検討されていました。

 しかし、今回の答申の通り国と都が株式を売却すると、東京メトロに対する都の影響力が低下することになり、すなわち、一元化実現が遠のくことになりそうなのです。

【地図】今回の答申では「新地下鉄の実現」も大きく進展 その3路線とは?

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コメント

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5件のコメント

  1. 以前は民営化は新線建設が一巡してからと言っていたような気がします。建設費の1/3は自費を投じなければならないのに成算が疑問視される住吉〜豊洲など押しつけられてメトロは嬉しいのでしょうか。今後も路線の設定改廃が政策に左右されるなら株を売るのに苦労するかもしれませんね。

  2. 組織として統一できなくとも、料金体系つまり切符代、所謂交通費だけ通しにすればいいと思います。これも都営側の赤字解消が難しいなどの問題があるかも知れませんが、実現すると都営より安い営団(現東京メトロ)の金額に統一され、お得感が増して、同じルートで「たまには都営も使おう」という気になるなどの誘発効果が得られ、かえって赤字解消しやすいと思います。三田線と南北線が共用する目黒~白金高輪間だけの利用が営団の金額に統一しているのと同様にすることです。

  3. 昔、東京都に金が無かったから
    国の機関
    「帝都高速度交通営団」が
    地下鉄の建設を進めただけ‼️

  4. 地下鉄を品川に延伸した際の計画図を作成してみました。
    全線地下にすると地下通路を新たに設けたりする必要がある分工事費と工期が膨れ上がるので南北線や都営三田線の品川駅はJRや京急直上の高架駅にすることがベストであると思います。
    railway.chi-zu.net/163297.html

  5. 利用者側はメトロ⇔都営の乗り換えで余計に金がかかるのが気になるだけで、そこさえ解消すれば会社が一緒になる必要は無いかなと思います。

    個人的には初乗りさえ統一されれば距離運賃が違ってもいいと思ってます。